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人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学 (集英社新書)
人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学 (集英社新書)広瀬 弘忠

集英社 2004-01-16
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”人は災害が起こったとき人々はパニックになる”---一般的な常識であるが、それは正しくないという。火事などが発生しても「たいしたことありません」とパニックを恐れ施設側、他人事と軽視する人々。本著では様々な災害事例とともに、生き残るために必要な条件を考察する。紹介される事例は各国の天災、函連絡船「洞爺丸」の沈没、開拓時代に西海岸を目指し越冬する人々など、バラエティに富んでいる。また、阪神大震災の事例を始め、PTSD、災害ボランティアなど身近に関係する情報も多面的に紹介されている。

数ヶ月前に図書館で予約して本だが、東日本大震災を契機に現状の理解、津波や地震に対する防災のあり方について、考えさせられる。

以下、末梢だが備忘録として。
・パニックはギリシャ神話、「パン」という半獣神の名が由来。(P.15)
・日本語には、英語のサバイバーに対応する言葉がない(P.152)
 →英語ではSurvivor(生存者)だが、日本語では”被災者”とNegativeな言葉となる。