社会: 2010年12月 Archives

無菌室ふたりぽっち
無菌室ふたりぽっち今田 俊

朝日新聞出版 2010-10-20
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著者、及び闘病時期にその存在を知って共に戦い、なくなっていったカメラマン2人の白血病・闘病記。現役の「週刊朝日」編集者とあり、感情あり、葛藤ありと心情が多分に織り込まれていながら、話の展開が体系立っている。知っているようで知らない白血病(の治療、闘病課程)がよく理解できる。

5年後の無病生存率は30%というのも驚きだが、発症が時の運なら、完治するかどうかも運(遺伝・生活習慣に関係なく、10万人に5~6人の割合で”ハズレくじ”をひく)。一見万能のように思われる骨髄移植も、完璧ではなく、何よりドナーに命の危険さえあることは知らなかった。

辛い治療をしても、いつ再発するかわからない恐怖。きっと経験者でしか理解できないであろうと思うと共に、自身の健康なる現状のありがたみが身に染みる。