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大金持ちも驚いた105円という大金大金持ちも驚いた105円という大金
吉本 康永

三五館 2009-05-22
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ローンの返済が回らなくなりそうになった還暦近い予備校教師が、せどり、即ちブックオフなどで仕入れた本をAmazonマーケットプレイスに出品して人生を立て直す。その売上額、なんと月100万円以上というからびっくり。
せどりのテクニック的な内容も書かれてはいるのだが、著者の人生に始まり思い出に残った本の紹介など、むしろせどりの人生記のような内容。いや、それだけの売り上げをあげるために、自宅に8000冊近い本を在庫し、毎日休み無くメール確認に発送、クレーム処理と実情を知ってしまったらおいそれとできないことは目に見えてわかる。これはやはり、ストーリーとして楽しむレベルが1番なのだろう。
獄中記 (岩波現代文庫)
獄中記 (岩波現代文庫)佐藤 優

岩波書店 2009-04-16
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悪名高き外交官として宗男ハウスと共にひとときニュースで話題になった当人が、タイトルの如く逮捕されて拘留されていたときに記した1冊。国策による逮捕という当人の主張は非常に論理的、納得感があるとともに、以下にマスコミのニュースだけで物事を判断することが稚拙で危険なことか、痛烈に思い知らされる。また、氏の千慮、教養、強靱な精神力とストイックさには、ただただ敬服する。

ロシア外交、教養、宗教と学ぶことは多岐にわたるが、この本の主題とも言える鈴木宗男氏の断罪と小泉政権時代における世の沸き方を冷徹に、客観的に分析しているその内容も面白い。即ち、鈴木宗男氏を「政治権力をカネに買える腐敗政治家」とすることは、
 ”ケインズ型の公平配分からハイエク型の傾斜配分への転換を実現する上で好都合の「物語」なのである。”(P.511)
と論じている。
モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」
モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」エフライム・ハレヴィ 河野 純治

光文社 2007-11-22
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日本で実態の見えにくいモサドの内情を、前長官が記した貴重な1冊。解説として掲載されている佐藤勝氏の寄せ書きの中で、本書を日本のインテリジェンス強化の参考書になると明言しているのも興味深い。

四方をアラブ諸国に囲まれ、常に国家の存亡をかけてきたイスラエルを陰から、時には表だって安全保障に従事したモサド。そのモサドの考え方、過去の失敗、歴史的交渉の内容から締めのテロ対策・外交など内容は多岐にわたるが、”ホロコーストの経験を持つユダヤの人々は、 「世界に同情されて生き残るより、世界を全部敵にまわしても生き残る」”という強い信念から、国家としての戦略の重要性、仕方を考えさせられる。
132億円集めたビジネスプラン
132億円集めたビジネスプラン岩瀬 大輔

PHP研究所 2010-11-16
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ライフネット生命・副社長の肩書きで有名な著書。一見、タイトルからは錬金術のような類を想像してしまう可能性もありそうだが(私だけか?)、至極まっとうな1冊。新会社の構想から、実際に出資を募る段階で説明された新規生保のリスク、対象とするマーケットといった内容をロジカルに書かれている。とにかくそのシンプル・明快な説明は心地よく、ライフネット生命のファンが増加している原点が垣間見える(社長、出口氏の魅力もあるがここでは割愛)。

前半の論理的な展開と変わって、後半の人集め・組織作りの説明ではパッション(情熱)が濃く出てくる。目指すべき目標、意志の強さといったものの大切さもしみじみ感じさせられる。論理と情熱のバランスが感動的ですらある。

BCG出身でもある著者だけあり非常にロジカルに書かれており、戦略立案の参考はもちろん、人生観を考えるきっかけなど価値ある1冊。
原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)
原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)有馬 哲夫

新潮社 2008-02
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原発のイメージ作りがどのように作られてきたか、CIAと政治への権力欲強い読売新聞社主・正力の駆け引き、ディズニーの利用などを公開されたCIA資料を基に明かされる。

2度の原爆投下、第五福竜丸事件と原爆・水爆共に初の被爆者を出した日本で、なぜほど原子力が夢のエネルギーとしてもてはやされたのか。1人の日本人とアメリカCIAの思惑が緻密に描かれている。ディズニーも巻き込んだアメリカのイメージ醸成、読売新聞・日本テレビとマスコミを思うがままに操作する正力。

テレビなどマスコミはおろか、ディズニーランドでさえプロパガンダとして機能していたという事実。原発賛成、あるいは反対と感情的に言うは易し。どちらにせよ、まずは過去の歴史を知ることは必須であると痛感した。と同時に、今まさに報道されている内容もどういう意図を含んでいるか、考える教材にもなる。
Three Cups of Tea: Young Readers Edition: One Man's Journey to Change the World... One Child at a Time
Three Cups of Tea: Young Readers Edition: One Man's Journey to Change the World... One Child at a TimeGreg Mortenson David Oliver Relin

Puffin 2009-01-22
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NYTimesで長らくベストセラー・トップ10にランクインされていた本の、子供向け版。そのため平易な文法、語彙(本書最後にGlossary<用語集>あり)で書かれているため、英語が得意でないNon-Nativeにも最適な1冊となっている。

とある登山家Greg Mortensonが、K2の麓の村々の実情を知るや、文字通り人生をかけてパキスタン・アフガニスタンに学校を建てていくストーリー。日本人にとってごく当たり前の教育が、世界が違えば(とくに、本書で登場する地域の女性にとって)如何に当たり前でなかったか気付かされる。私財を投げ売り、ただでさえ偏見のあったイスラムに対する支援に9.11といった逆風を乗り越えた主人公に敬服すると共に感動させられる。9.11で冷静さを失ったアメリカも、”教育が平和を作る”という本書の言葉に、きっと感銘を受けたに違いない。

後半に掲載されたテロの恐怖もあったパキスタン・アフガニスタンに行ったり、国内(米国)でも講演等で飛び回り留守の多かった主人公を父に持つ娘のインタビューも、寂しさを共感すると共に、立派な考えを持って育っていることから父親の信念の大切さも気付かされる。
社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)
社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)堤 未果

岩波書店 2011-02-19
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「ルポ 貧困大国アメリカ」の著者による最新作らしく、前半は9.11以後のアメリカ、特に戦争一辺倒のムードやその陰で改悪が進行していた教育問題を中心にアメリカの問題をさらけ出す。徐々にウィキリークスや日本の問題(昨年の、宮崎で口蹄疫が流行ったときに1ヶ月以上メディアは取り上げなかったのは記憶に新しい)、メディアで報じられているときに裏であった出来事などを扱い、メディアの情報鵜呑みにする危険性に警笛を鳴らす。

本書では新聞・インターネットなどを用いて情報を多面的に収集方法や、選挙の必要性を具体的な事例を出して紹介、1人1人が考える大切さを痛感させられる。子供から大人まで、薦められる1冊。
Notes Left Behind
Notes Left BehindBrooke Desserich Keith Desserich

William Morrow 2009-10-27
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がんにより僅か6歳で生涯を終えたElenaは、生前、お母さん・お父さん、妹のGracieへ宛てた愛のメッセージを数百通も家の中あちこちに隠していた。Elenaの他界後、日々新たなメッセージが見つかったという。




数多の”メッセージ”をElenaはいつ書いていたのか、両親は治ると励ましていたものの実情を悟っていたのではないか、あるいは天国からの手紙なのか。

本書は両親がインターネットで綴った、8ヶ月あまりの闘病記。ショックを受けながらも、いるかと水泳、ドライブ、Wedding、etc.と懸命に思い出を積み重ねていく。しかし後半になるほど、絶望のような状況に、父親は様々な葛藤が強くなっていく。Elena本人はもとより、両親の心労は計り知れないものであっただろう。それが”残された手紙”により、両親はどれだけ救われただろう。Gracie含めていつまでも記憶に残ることとなっただろう。わずか6歳で親・妹を想うElena、そして必死に戦った親の「愛」について千慮止まず。ただただ、敬服する。

尚、両親は本書の収益を全額小児ガンに関する基金「The Cure Starts Now」に全額寄付されるとのこと。
シークレット・サービス
シークレット・サービスロナルド ケスラー 吉本 晋一郎

並木書房 2010-07-27
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なぜ大統領警護のシークレットサービスの母体が財務省なのか、その発端から始まり、国土安全保障省に組み込まれた現在に至るまで、歴代の大統領の舞台裏と膨大な関係者のインタビューを共に歴史から現状の実態までを書き下ろす。その根底にあるのが、人材、装備、訓練などを軽視した予算や手抜き警備により大統領警護が崩壊しているという警笛でもある。
ただし、大統領やその家族の裏事情、ゴシップ的な内容も本書の多数を占めており、評価は分かれるところ。
無菌室ふたりぽっち
無菌室ふたりぽっち今田 俊

朝日新聞出版 2010-10-20
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著者、及び闘病時期にその存在を知って共に戦い、なくなっていったカメラマン2人の白血病・闘病記。現役の「週刊朝日」編集者とあり、感情あり、葛藤ありと心情が多分に織り込まれていながら、話の展開が体系立っている。知っているようで知らない白血病(の治療、闘病課程)がよく理解できる。

5年後の無病生存率は30%というのも驚きだが、発症が時の運なら、完治するかどうかも運(遺伝・生活習慣に関係なく、10万人に5~6人の割合で”ハズレくじ”をひく)。一見万能のように思われる骨髄移植も、完璧ではなく、何よりドナーに命の危険さえあることは知らなかった。

辛い治療をしても、いつ再発するかわからない恐怖。きっと経験者でしか理解できないであろうと思うと共に、自身の健康なる現状のありがたみが身に染みる。

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