ノン・フィクション: 2014年9月 Archives

ウルトラマラソン マンウルトラマラソン マン
ディーン・カーナゼス

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-02-16
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”この男、いったいぜんたいどうしてここまで走るのか?”
読みながら、読み終えて、すごすぎるの一言が何度思い浮かんだか。

46時間ノンストップで320kmを1人で走り抜いたディーン・カーナゼスの半生+ドキュメンタリー。陸上をやっていた学生時代を経て、普通のビジネスマンになってそこそこの成功を収めているも、あるとき人生の物足りなさから走り始める。

足のツメがはがれ、フラフラになりながら100kmマラソンを完走するも、車に戻って嘔吐、痙攣する凄まじさを記す。だが、その後にはあっさりと翌年も完走したと記載。次は50℃のデスバレー190kmレース。食パンがトーストになる酷暑(熱?)、途中でリタイヤするもこれまた翌年リベンジで完走を果たすとある。更には-40℃の南極でのフルマラソン。

そして最後に320km駅伝レース。当然ながら他の参加者はチーム戦なのだが、チーム”ディーン”、即ち彼だけは1人で走る。道中の困難さや過酷さもさることながら、金曜日の夜に走り始めて日曜日にゴール、そして月曜日には普通に出社して仕事するという。そしておきまりのように、翌年、またそれ以降も同じように完走したと、さらっと書いてあるのだから・・・もう笑うしかない(実際、話の中にはユーモアも多い)。

余談ながら、つい最近ハワイで見られる事象として知った「グリーン・フラッシュ(緑の炎)」について記載があった。フォーズバーからラッキーチャッキー・リバークロッシングに至る、太平洋で拝めるらしい。
米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方
L・デビッド・マルケ 花塚 恵

東洋経済新報社 2014-05-30
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落第状態だったロサンジェルス級原潜を、トップダウンの命令ではなく個々の主体性を重んじるという大凡軍隊には向かないと思われる手法で立て直した実話。

新たな艦に赴任した艦長が取り組んだのは、挨拶から始まり、主体性の重視や権限委譲、ミス防止ではなく理念の共有や技術の向上など、軍隊特有のものは一切なく、組織をリードするに当たって普遍的な事項ばかり。それもそのはず、コヴィー博士の「7つの習慣」や「Whyから始めよ!」等、著名なビジネス書を参考にしているのだから。リーダーだけでなく、担当者のレベルでも、どうプロアクティブに行動するかという点において参考になる。

できすぎと思える程の結果を残すわけだが、そこがまたサクセスストーリーの読み物として面白い。