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憲法改正のオモテとウラ (講談社現代新書) 舛添 要一 講談社 2014-02-19 売り上げランキング : 244890 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
巷で憲法改正反対という声を上げる方々、またそれを聞く我々は、どれだけ日本国憲法を把握されているのだろう。正直、私は高校かそこいらでちらっと出てきた以外、無知だった。本書は、2005年10月に自民党が出した改正の第一次草案(安倍首相ではなく、小泉首相の時代)に関わった桝添要一氏による、タイトルの通りオモテとウラを明かす。
日本国憲法がどのような内容で、今は何が問題で、どのように変えようとしたのか。諸外国との比較から、議員間の対立、生々しい妥協の経緯、郵政民営化法案の問題で憲法改正が頓挫していく様がありありと書かれている。特に妥協、よく言えば政治的な調整は、あくまでも政治家の論理であると痛感させられる。
日本人なら、ぜひ目を通しておきたい1冊。
政治をあきらめない理由――民主主義で世の中を変えるいくつかの方法 ジェリー・ストーカー 山口 二郎 岩波書店 2013-03-27 売り上げランキング : 468551 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ポピュリズムの台頭、投票率の低下など政治に対する無関心など、民主政治に対する幻滅が言われて久しい。これは日本など特定の国だけではなく、民主主義国家で共通する現象だという。本書は民主主義の問題を追求し、政治の再生を提言する。
そもそも、政治とは利害の一致しない人同士をまとめ、強制するものである。経済が成長している時代、国家共通の目的(戦時中など)がある場合をのぞき、少なかれ多かれ人々に不満があって当然である。その上でどうすべきか。私は、アリストテレスの言葉「政治の形態は、専制君主制と、寡頭制(少ない数の集団指導制)、デモクラシーの三つ。それぞれいいようで欠点がある。続けていくと最後には危機に陥る」が思い出したが、著者は代表制の改革や市民参加の新しい仕組みなどを提案し、あくまでも民主政治の再生を訴える。
これからの民主政治を考えさせられる1冊である。
合衆国再生―大いなる希望を抱いて バラク・オバマ 棚橋 志行 ダイヤモンド社 2007-12-14 売り上げランキング : 51803 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
現アメリカ大統領のオバマが、大統領出馬を表明した2007年に書かれた1冊。ブッシュJr.大統領の減税政策などで格差が拡大した中、一般国民の失業や貧困の実態から決して目をそらさず、平等や社会保障を充実しようという信念が揺るぎない。オバマ氏の国民皆保険を成立させたオバマの原点がわかる。
決して自分の主張を通すのではなく、問題に対して具体的な解決策を提示する姿勢に、初のアフリカ系大統領となったオバマ氏の人間性が伺える。出生や幼少時代、家族の話なども織り込まれていて、妻ミッシェルとの馴れ初めややりとりも、興味深い(兵器拡散を防ぐ法案の重要性をミッシェルに電話で話したら、帰りに蟻退治用の罠を買ってくるように言われた話など)。
聞かないマスコミ 答えない政治家 池上 彰 ホーム社 2013-04-26 売り上げランキング : 275834 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本では政治家にインタビューするのは若手の仕事となっているためシニアのマスコミがおらず、また情報を流してもらうため政治家寄りになっていくため突っ込んだ追求をしない。それ故、政治家も育たない。タイトルが示すとおり、マスコミの勉強不足や甘え、鋭い質問になれておらず必死さが足りない政治家を両者両断する。
その他、2012年12月の総選挙の開票番組「池上彰の総選挙ライブ」についても書かれている。。池上 彰氏は番組スタッフと共にテレビ東京というポジションでどう戦うか考え抜いた結果、時間帯によっては民法1位の視聴率をたたき出した。
全体的に、池上氏には珍しく熱がこもって語っている。つまり、読者を向いて書いているのではなく、マスコミ・政治家に向けて発信しているよう。