ノン・フィクション: 2010年12月 Archives

無菌室ふたりぽっち
無菌室ふたりぽっち今田 俊

朝日新聞出版 2010-10-20
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著者、及び闘病時期にその存在を知って共に戦い、なくなっていったカメラマン2人の白血病・闘病記。現役の「週刊朝日」編集者とあり、感情あり、葛藤ありと心情が多分に織り込まれていながら、話の展開が体系立っている。知っているようで知らない白血病(の治療、闘病課程)がよく理解できる。

5年後の無病生存率は30%というのも驚きだが、発症が時の運なら、完治するかどうかも運(遺伝・生活習慣に関係なく、10万人に5~6人の割合で”ハズレくじ”をひく)。一見万能のように思われる骨髄移植も、完璧ではなく、何よりドナーに命の危険さえあることは知らなかった。

辛い治療をしても、いつ再発するかわからない恐怖。きっと経験者でしか理解できないであろうと思うと共に、自身の健康なる現状のありがたみが身に染みる。
青い地図~キャプテン・クックを追いかけて~(下)
青い地図~キャプテン・クックを追いかけて~(下)トニー・ホルヴィッツ 山本 光伸

バジリコ 2003-12-22
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大航海時代終焉期にして、ニュージーランドの海図作成から南方大陸捜索、北西航路の探求と3度の世界航海を果たしたジェームズ・クックの冒険記と、それを現代からも追う、独特の2重構成による物語・下巻。

下巻では2回目・3回目の航海、ハワイで暗殺される様子や、その後の彼の子供達の状況や、部下達の様子までを描く。

当時の航海の、乗組員の様子や陸地での行い、壊血病による死者を1人も出さなかったクックの挑戦などなど、クックの偉業を理解できるとともに、疫病を初め、様々な害を現地にもたらした負の一面や、現地の人々のクックに対する心証など現代からの調査もオーバーラップする。
部下らの大部分が出世したことについて、良きリーダーが(見本となって)良いリーダーを育てる、というのが意味深い。

光と陰、さまざまな側面はあるとともに、クックの偉業に感服する1冊。

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