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飛行機技術の歴史飛行機技術の歴史
Jr.,ジョン・D. アンダーソン Jr.,John D. Anderson

京都大学学術出版会 2013-12-18
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ライト兄弟からジェット機まで、飛行機技術の歴史が凝縮されている1冊。少々効果だが、イラストや写真も多用されていて、専門の知識がなくても興味あれば十分堪能できる。

飛行機にロマンを感じる人なら、間違いなくお薦め。

特定操縦技能審査

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来年4月1日より施行される日本版Flight Review、特定操縦技能審査を受けた。

新たな記録用ライセンスを3月に申請・取得しており、申請手続きから申請内容も国土交通省のHPで一通り目を通していたので、スムーズに受けられた。以下、顛末を簡潔に記す。


まず受講場所、所属するフライトクラブ、ライセンス取得時にお世話になったスクールなどいろいろ探していたが、時間・費用的に手軽なJAPA(日本操縦士協会)で受けることにする。キャンペーンをやっていたことも大きい。
http://www.japa.or.jp/topics/2013/tokutei_hayawari.pdf


さて、実技だが、JAPAでは国土交通省の飛行訓練装置レベル3を取得したFTD、所謂Flight Simulatorを使って行う。
http://www.japa.or.jp/simulator/us21d.html

受験資格である、”180日以内に3回以上の離着陸経験”を満たしていなかったので、受験前に併せて訓練も行う。

担当教官は元JALのPilotとのこと。試験制度の前提より、ライセンスをお互いにCheckしあう。


FTD自体の癖は、最初は戸惑うも、他や自宅である程度行っていたこともあり、すぐに習熟できた。もしFTDで受けられる場合、事前にMicrosoftのFSである程度練習しておけば、問題ないだろう。逆に、シミュレータと言うことでいつもの癖からATC(無線)をはしょってしまいことに気をつけたい---自分はそこで指摘を受ける。

さて、次にOral(口頭)試験。航空安全講習会を2年以内に受けていたため、大部分は免除される。ただ、内容自体は大した量もないし、この制度の趣旨を考えれば、空飛ぶPilotは試験に関係なく把握しておくべき事だろう。落とすことが目的ではないため、内容はフリートークのように、いろいろ示唆や教示頂きながら、行われた。

さて。結果だが、PASSして、晴れて2年間はPICの要件を満たすことになる。

空飛ぶ広報室空飛ぶ広報室
有川 浩

幻冬舎 2012-07-27
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ドラマ化されたことで、一躍有名になった感のある1冊。Fighter(戦闘機乗り)を目指すも事故で道を絶たれ、航空自衛隊の広報官として新たな人生を歩む主人公の物語。

一見、不幸からの再起・・・と想像しそうだが、悲壮感はほとんどなく、話も広報官としての部分が大部分を占める。航空自衛隊の組織や仕組み、機体など前提知識がまるっきりなくても楽しめるほど、テンポ良い娯楽小説に仕上がっている。クサイほど濃いキャラ達にも、気付けば愛着を沸いてくる。

最後はドラマと異なるのだが・・・個人的には、純粋な娯楽物としてはドラマの方がすっきりしていていい気がする。
アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】
アトゥール ガワンデ 吉田 竜

晋遊舎 2011-06-18
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”人間は間違いを起こす生き物である”  誰でも一度は聞いたことあるフレーズだが、ではどのようにHE(ヒューマン・エラー)をなくすか、体系立てて整理していないところは意外に少ない。医療の世界でも、医者の裁量で行われることが多いため、ちょっとしたミスが多発しているという。著者はTIMEの最も影響力ある100人(2010年)に選出された医師で、WHOで医療ミスを防ぐためのチェックリスト作成を綴っている。

構成は自身の失態も含めた医療ミスの実態、WHOから依頼されてチェックリスト作成に至る経緯、チェックリストの事例として建築業界と航空業界の調査、そして医療へチェックリストの適用でなっている。ストーリーとしても秀逸で、読み物としても面白いが、特に興味深かったのが事例の建築業界と航空業界。

まず建築業界の話だが、スケジュール自体がチェックリストとして機能しているという。遅れを可視化し、一度問題が発生すれば関係者で協議して是正する仕組みができあがっているというのには目から鱗である。長年、WBS(Work Breakdown Structure)の類やスケジュールを扱っているが、チェックリストという発想はなかったので、非常に新鮮だった。
そしてもう1つが航空業界として、パイロットが扱うチェックリスト。医療も瞬時に必要最低限のことを確認するという点が同じため、こちらにより重点がおかれているのだが(実際、チェックリストと言われてイメージするのもこちらだろう)、”良いチェックリスト”という発想が興味深い。つまり、いかに面倒くさくさせないため、無駄を省くか(その削り方が、詳細は本書を参照いただくとして、熟慮の賜と思い知らされる)、その上で使う人に気づきを促せるか。そうした観点で幾度となく、改訂がなされる。さらに、運行会社などによって、同じ観点で細部がアレンジされることが推奨される。飛行機のチェックリストを見て、当初はなぜ、ものによって同じ機体でも微妙に違うのか、なぜ、書かれていない手順があるのか疑問だったが、これを読んで非常にすっきりした。また、著者がチェックリストの効能を知るために飛行機のフライトシミュレータを体験する話、2009年1月14日に発生したUSエアウェイズ1549便のNYハドソン川不時着の話など、どれも非常に興味深い。

最後は飛行機の話に終始してしまったが、一見単調なチェックリストの奥深さを、これほど面白く読める本書は素晴らしい。
墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)
飯塚 訓

講談社 2001-04-19
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1985年8月12日に御巣鷹山で墜落したJAL123便。本書は、127日間に及んだ身元確認のうち、特に藤岡市内の3つの体育館で指揮した方による、警察・医者・看護師の47日間にわたる記録が主となる。

初めこそ完全な遺体もあったが、その後は部分遺体ばかり、別の人の 頭蓋骨が埋まっていたため目が3つあった頭部、焼けて煤のみとなった皮、大量にわいてくる蛆虫、そして猛暑の中の体育館で連日・連夜明け方帰宅で、体には腐臭が染みつき外にも出られず、文字通り過酷を通り越して極限状態の作業だったことがわかる。例え指1本でも、ここまでして身元を確認する執念に、ただただ頭が下がる。

一方で、結論が早急と感じる場面も多々あった。遺体の確認にこだわるのは日本くらいとし、アメリカなど海外ではその考え方が理解されないとしているが、諸外国でも遺体を回収する考え方はあるので一概にそうとも言えないのではないか。また、後半からは日本、警察、自信の自画自賛的な描写が気になった。遺体から婚約指輪を紛失した際、遺族に辞職で責任をとると謝罪して最後は理解してもらえたと書いているのだが、原因が何も書かれておらず、安易に精神論で対応しようとしていることに、警察の一面をみた気がした。
2011年12月10日(土)、2年ぶりに自家用操縦士(Private Pilot)向けの講習会に参加。主な内容は以下の通り。

・特定技能審査(日本版Flight Review)導入・最新動向
・航空身体検査の基準改正・最新動向
・交信技術のリカレント(Movie)
・日本最高齢Pilotの高橋淳氏による講話
・その他資料(管制方式基準の改正、東京TCA空域改正、AIP-SUPの福島第一・飛行禁止空域など)

特定技能審査はアメリカ同様、定期的に技量・知識のCheckを導入するということで、ICAOから日本はライセンス取得後ノーチェックであることを問題視されて検討されている模様。Inspectorは民間人にも開放される模様で、クラブ毎に最低1人配置するなど、本来の主旨を重視して利便性を考慮するとともに、手数料ビジネスなどにはなって欲しくない。今後も要Watch.

航空身体検査は、現在毎年(2種)を、40歳以下のパイロットはアメリカ(3年毎)を上回る5年ごとにすると共に、高齢者は半年など、実情に即した改正が行われる見込み。来年には新しい基準になるので、自分も次回更新からメリットを甘受できるも、気付けば年齢的に次の1回のみに・・・(免許取得からの年月の経過にしみじみ)。

高橋淳氏の講話は戦時中から戦後まで様々なFlightのトラブル体験などから、心構えなど。話は面白いと共に、戦時中の過酷な砲撃をかいくぐる艦隊攻撃の話など迫力ある。長年飛ばれている方だけに、目に見えぬオーラを感じる。

以下、単語メモ
・vacate 立ち退く、退去する
・expedite 迅速に処理する、早める
改正後
<『第三十二条 航空身体検査証明の有効期間は、当該航空身体検査証明を受ける者が有する技能証明の資格ごとに、その者の年齢及び心身の状態並びにその者が乗り組む航空機の運航の態様に応じて、国土交通省令で定める期間とする。』

改正前
『第三十二条 航空身体検査証明の有効期間は、定期運送用操縦士の資格を有する者にあつては六月、その他の者にあつては一年とする。』

2011 年 5 月 25 日に公布されたことで、1年以内に施行される模様。1年毎(第二種の場合)の身体検査が緩和される。FAAのように40歳未満は3年くらいにはのびるだろうか。

c.f. 国土交通省 航空身体検査証明の有効期間に関する検討会( http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr12_000007.html )
安全・快適エアラインはこれだ (朝日新書 41)
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朝日新聞社 2007-04-13
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おすすめ平均 star
star報告書的で読みもの的面白さには欠けるが・・
star安全面から見た航空機の雑学本
starフライト中に楽しめる本ではないようです

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各種ランキングを紹介するも、著者としての結論が出ているわけでもなく、少し消化不良であった。安全・快適の章では380の脱出テストを紹介していたり食事を紹介したり最新設備紹介したり、航空会社ごとの快適なシートを掲載するWeb(URL)を紹介したり(P.168)、中には航空管制の話を出したり(タイトル通り趣旨はエアラインの比較なはずで、ここで航空管制が出てくるのは少し違和感)。良くも悪くも雑学集。

航空ジャーナリストの事故分析関連の著書は得てして、豆知識のパッケージになってしまうのか、誰に、何を訴えたいのか、論点がぼやけてしまうように感じる。

肩肘はらずに、雑学集として読めばいいのだろうが・・・。

Flight Computer 'E6B' iPhone App

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sporty's より、iPhone(iPod Touch)向けのE6B アプリがリリースされた。
$4.99、詳細は以下より。

自動車世界では当たり前のNaviだが、まだまだ飛行機の世界で(特に日本では)Digital Equipmentsは高価で高嶺の花だったりする(GPSが正式な航法として認められたのも最近だが)。iPhoneや先日日本でも発売されたiPadで、こうしたアプリでFlight ComputerやNaviを低価格で実現できることに改めて感慨するとともに、Appleのすごさを実感せざるを得ない。

なお、BlackBerry版のE6B(Trial版)も以下であり、BlackBerry AppWorldだがDoCoMo回線でDownloadできた。こちらは後実証予定。

http://appworld.blackberry.com/webstore/email/6675


c.f.雑誌: 週刊 ダイヤモンド 2010年 5/15号 アップル丸かじり

読んで愉しい 旅客機の旅 (光文社新書)
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おすすめ平均 star
star飛行機での旅行が楽しくなるために
star写真がもっと欲しいが、大変興味深い本
star今までに2回しか乗ったことがないのですが…

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20世紀初期から現在まで、様々な航空会社を、今昔東西の旅客輸送を”旅客”の目線でまとめている。初期のスチュワーデス(初期は看護婦の資格から身長・体重、年齢、未婚限定等厳しい条件があった)から機内食、今はなき喫煙にエンターテイメント、飛行機の迷彩まで、タイトルのごとく豆知識として参考になる。国内線の映画上映や機内食の廃止・有料化、2010年4月からは全日空が国内線の無料飲料を水とお茶だけにしたり、9.11/SARSを発端に航空会社の経営・コスト削減が厳しくなるにつれ、本書で謳っているような愉しみがだんだん過去の物となっていくのは少し寂しい。

著者はかなりマニアックな一面もあるようで、各種コレクションの話など、興味ない分野の記述は著者と読者に温度差が生じる。また、そうしたグッズを言葉だけで熱く語られてもイメージがわかないので、写真をもっとふんだんにあると良かった。

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