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クラウゼヴィッツの戦略思考―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質クラウゼヴィッツの戦略思考―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質
ティーハ・フォン ギーツィー クリストファー バスフォード ボルコ・フォン アーティンガー Tiha Von Ghyczy

ダイヤモンド社 2002-04
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有名だが難解故、なかなか原書を読めないクラウゼヴィッツの戦争論。本書はBCGが、そのエッセンスをわかりやすく抜き出している。

不確実性の最たる戦争において、いかに決断するか。「いかに備えるか」、「戦争か平和か、攻撃か防御か、など相反する2対を弁証法で熟考する」など、クラウゼヴィッツの考えは時代や手法にとらわれない。これが、現代まで残り語られるゆえんだろう。

具体的な示唆はないため、余計難しい戦争論だが、本書はBCGの手によりかなり読みやすくなっている。

以下、備忘録
理論(セオリー)という言葉はギリシャ語の「セオレイン(見る、熟慮する、調べる)」からきており、実践(プラクティス)は同じくギリシャ語の「プラテイン(する、行なう)」に由来する。(P.35)
モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」
モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」エフライム・ハレヴィ 河野 純治

光文社 2007-11-22
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日本で実態の見えにくいモサドの内情を、前長官が記した貴重な1冊。解説として掲載されている佐藤勝氏の寄せ書きの中で、本書を日本のインテリジェンス強化の参考書になると明言しているのも興味深い。

四方をアラブ諸国に囲まれ、常に国家の存亡をかけてきたイスラエルを陰から、時には表だって安全保障に従事したモサド。そのモサドの考え方、過去の失敗、歴史的交渉の内容から締めのテロ対策・外交など内容は多岐にわたるが、”ホロコーストの経験を持つユダヤの人々は、 「世界に同情されて生き残るより、世界を全部敵にまわしても生き残る」”という強い信念から、国家としての戦略の重要性、仕方を考えさせられる。
絵で見る十字軍物語
絵で見る十字軍物語塩野 七生

新潮社 2010-07
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見開き左にドレの挿絵、右にその絵が描かれた場面の地図と簡単な解説という構成で、十字軍500年の歴史を綴る。とにかく、キュスターブ・ドレの絵が繊細・緻密ですばらしく、引き寄せられる。解説は多くは語らず、挿絵と地図から読者に想像をかき立ててくる。なかなかキリスト教とイスラム教の争いというのが日本ではピンと来ないが、その最大の背景とも言える十字軍の歴史が簡単に読める。いや簡単だからこそ、500年という長期に渡る歴史を俯瞰できる。大人の絵本とも言うべき1冊。
戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ
戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ野中 郁次郎 戸部 良一 鎌田 伸一 寺本 義也 杉之尾 宜生 村井 友秀

日本経済新聞社 2005-08-06
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失敗の本質」と同じ構成で、歴史(20世紀)の事例から主に勝者を中心に敗者との差異を分析、現代にも通じる原理を導く。

20世紀の戦闘「毛沢東」「バトル・オブ・ブリテン」「スターリングラード」「朝鮮戦争」「第四次中東戦争」「ベトナム戦争」を紹介・しながら、クラウゼヴィッツ、ジェミニの他、リドルワート、ルトワク、孫子といった戦略家の考えとともに分析していて、いわゆる戦略を学ぶ入門書になる。

「失敗の本質」の原理が組織・戦略論であったのに対し、こちらは戦略を考案する人、即ちリーダーシップ論に帰着する。「失敗の本質」よりも分析・記述が難解で、著者の結論から実際の戦果まで因果関係が直感的に腹に落ちない。とはいえ、「失敗の本質」同様、参考になる1冊であるのは変わらずだが。
アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)
アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)野中 郁次郎

中央公論社 1995-11
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1775年に英軍のそれを模して設立したアメリカ海兵隊について、歴史からその海兵隊の意義、そして普遍的な組織(個人)の価値とは何かを分析、まとめ上げている。「失敗の本質」同様、その内容は単に歴史や対象(ここでは海兵隊)だけでなく、現在の身の回り、組織戦略や個々の意義は何か考えさせられる。

空・海・陸軍と違い、海兵隊は常に不要論と共にその存続が危ぶまれてきたため、自己革新を遂げて来たというのが本書の主眼。元は船上の兵士としてスナイパー・切り込み隊だったのが、時代が主砲になると憲兵として、海軍と摩擦が出ると前線基地の防御要員として、そこから強襲に転じて水陸両用作戦を考案・硫黄島、沖縄などで生かす。その後もヘリボーン、そして湾岸戦争など現代では即応部隊として、その価値を変革しながら示し続ける。

海上部隊も、航空隊も、陸上部隊も持つ中、海兵隊の中心は皆ライフルマンという哲学もおもしろい。何をより所にし、何に注目し、何を変革していくか。良書である。
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎

中央公論社 1991-08
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太平洋戦争における日本の敗戦を、物量などは一旦抜きに戦略を主眼として、ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ海戦、沖縄戦と6つの戦闘にポイントを置き考察する。米軍と日本軍の比較から真理、即ち戦略や組織としての失敗を追求していくのだが、今に通じる普遍的な内容で、読みながら現代の話と錯覚する。

まず米軍との比較だが(前述通り物・人の量は抜きに)、以下P239の表(抜粋版)のようにまとめられている。大きく戦略、組織に分け、そこから1つ1つ分析されているが、現代でも思い浮かぶ事象がちらほらある。

              日本軍             米軍
戦略 戦略策定    帰納的(インクリメンタル)  演繹的(グランドデザイン)
    戦略オプション 狭い               広い
    技術体系    一点豪華主義         標準化 
組織 構造       集団主義            構造主義
    学習       シングルループ        ダブルループ
    評価       動機・プロセス         結果

最終的な結論として、自己革新組織の必然性を問う。

 組織が継続的に環境に適応していくためには、組織は主体的にその戦略・組織を環境の変化に適合するように変化させなければならない。(P.264)

即ち、日本軍は日露戦争の勝利に酔いしれ、その時代の戦略を盲目的に信じ、官僚的な組織で自らの革新を起こせなくなっていた。ところで、

およそイノベーション(革新)は異質なヒト、情報、偶然を取り込むところに始まる。官僚制とは、あらゆる異端・偶然の要素を徹底的に排除した組織構造である。(P.273)

は身近で思い当たるところも多い。
青い地図~キャプテン・クックを追いかけて~(下)
青い地図~キャプテン・クックを追いかけて~(下)トニー・ホルヴィッツ 山本 光伸

バジリコ 2003-12-22
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大航海時代終焉期にして、ニュージーランドの海図作成から南方大陸捜索、北西航路の探求と3度の世界航海を果たしたジェームズ・クックの冒険記と、それを現代からも追う、独特の2重構成による物語・下巻。

下巻では2回目・3回目の航海、ハワイで暗殺される様子や、その後の彼の子供達の状況や、部下達の様子までを描く。

当時の航海の、乗組員の様子や陸地での行い、壊血病による死者を1人も出さなかったクックの挑戦などなど、クックの偉業を理解できるとともに、疫病を初め、様々な害を現地にもたらした負の一面や、現地の人々のクックに対する心証など現代からの調査もオーバーラップする。
部下らの大部分が出世したことについて、良きリーダーが(見本となって)良いリーダーを育てる、というのが意味深い。

光と陰、さまざまな側面はあるとともに、クックの偉業に感服する1冊。

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