ノン・フィクション: 2014年4月 Archives

ドキュメンタリー ルーシー事件の真実―近年この事件ほど事実と報道が違う事件はないドキュメンタリー ルーシー事件の真実―近年この事件ほど事実と報道が違う事件はない
ルーシー事件真実究明班

真実究明班 2007-05
売り上げランキング : 854220

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

膨大な裁判資料が本書の大半を占める。タイトルの通り、過去におきたルーシー事件が、報道の内容とどれだけ違うか、もっと言うと検察がどのように証拠を隠匿・改竄して被告を有罪に持って行くかが鮮明に理解できる。このような事実を見ると、先日釈放された袴田事件のように、日本の死刑制度そのものも否定せざるを得ない。

残念なのが、引用されている資料群。整理されておらず、また右開きで構成されているので横文字の資料が右から左に行ったり、別の資料では後ろから読まなければならなかったり、読むのに苦労させられるのが残念。
私はガス室の「特殊任務」をしていた私はガス室の「特殊任務」をしていた
シュロモ ヴェネツィア 鳥取 絹子

河出書房新社 2008-12-11
売り上げランキング : 270940

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

アウシュビッツに強制収容され、特殊任務部隊として同胞の遺体処理をになってきたシェロモ・ヴェネチィア氏。特殊任務部隊自体も、隠匿のために3ヶ月毎に抹殺されて入れ替えられるのだが、シェロモ氏は奇跡的に助かり、こうして語ることができた。本書は氏との対談形式で綴られる、歴史の暗部を明らかにする貴重な資料(シェロモ・ヴェネチィア氏が著者となっているが、実際に編集したベアトリス・プラスキエ氏に関するクレジットはない)。

アウシュビッツにやってきて選別された病人・女性・子供・老人らは、そのままガス室に詰め込まれ(ガスを節約するために、ぎゅうぎゅうに押し込まれる)、10分以上悶え苦しみ、絶命していく。後に残った遺体は眼球が飛び出たり、体内の液体・排泄物が外に出て、それは悲惨な状況だったのだろう。特殊任務部隊は、それらをひたすら焼却炉に運び、次のために(シャワーを浴びると言って押し込めるために)ガス室を綺麗にする。一度、母親の母乳を吸っていた赤ちゃんが奇跡的に助かっていたが、やってきたドイツ人将校がやってきて銃で殺したという話は、言葉にならない。

ガス室から死体を焼却炉へ運ぶ特殊任務部隊
ガス室から死体を焼却炉へ運ぶ特殊任務部隊(P.101)

罪悪感や感傷に耽る余裕などまったくない、生きるために必死だったという言葉が非常に重い。
9・11事件は謀略か―「21世紀の真珠湾攻撃」とブッシュ政権9・11事件は謀略か―「21世紀の真珠湾攻撃」とブッシュ政権
デヴィッド・レイ グリフィン David Ray Griffin

緑風出版 2007-08
売り上げランキング : 328629

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

日本でもTVの特集が組まれたこともあるが、9.11の数々の謎
・飛行機が衝突していないWTC第7ビルがなぜ崩壊したのか。
・なぜ後から飛行機が衝突したWTC第2ビル(サウスタワー)が先に崩落したのか。
・ペンタゴンに衝突した跡は、飛行機にしては小さい&飛行機の残骸がない。

本書ではさらに踏み込んでおり、 ・WTCのオーナーは数ヶ月前にテロ保険をかけて、莫大な利益をあげている。
・WTCの崩落は飛行機ではあり得ず、爆薬を使用した計画破壊の崩れ方である。
・WTCに入る会社の株が、テロの直前に大量の先売り注文がなされていた。
・通常であれば行われていたスクランブルが、当時機能していなかった。
・テロが行われ、さらに不明機がいるとされていた最中、ブッシュは小学校訪問の行事を続行した。
・ペンタゴンの衝突は敢えて難しい工事中の箇所に行われた。
・ペンタゴンの防空ミサイルが機能しなかった(自軍の航空物体であれば、作動しない)。
・ピッツバーグ郊外に墜落したというUA93便は、テロから機体を取り戻し、かつパイロットが乗っていたという連絡をした後、撃墜された。
・テロ後、オサマ・ビンラディンを逮捕できる機会を意図的に逃していた。
・テロの数ヶ月前から戦争の準備がされていた。
・議会でもめていた軍事予算の要求が、9.11をきっかけに認められた。

などなど、陰謀説を臣事させる事実が真挙に暇がない。単に政府が無能故防げなかったのではなく、第二次大戦のきっかけとなった真珠湾攻撃が必要だったように、中東の石油権益や軍事産業のために。全て、状況証拠でしかないのだが。