ノン・フィクション: 2014年7月 Archives

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
門田 隆将

PHP研究所 2012-11-24
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3.11で1F(福島第一原発)で何が起きていたのか。電源喪失した原発に対して、現場に残り必死の冷却やベントなど原子炉をコントロールしようとし続けた、吉田所長・当直長らをはじめ東電の社員、協力会社や消防隊、自衛隊など関係者の活動を記録する。曰く付きの管元首相の来訪、本社との意見齟齬など、現場の対応だけで大変な中、外部に翻弄された様がありありと描画されている。

三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」
ジョビー・ウォリック 黒原 敏行

太田出版 2012-11-22
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2009年12月30日、アフガニスタン東部の町ホーストにあるチャップマン前哨基地で自爆テロが起き、CIA局員七人を含む九人が死亡し、六人が重傷を負う大惨事の真相。

衝撃的な結論から始まり、物語は1年前に遡って進んでいく。なぜ狂信的な考えの持ち主だった人間を、CIAは一度も会ったことがない人間を、いとも簡単に信用してしまったのか。事件の真相に迫る過程もさることながら、ビンラディンが見つからない焦りや、都合の悪い情報をシャットアウトする固定観念など、普遍的な失敗の本質を考察している。