ノン・フィクション: 2013年9月 Archives

ネイビー・シールズ最強の狙撃手ネイビー・シールズ最強の狙撃手
クリス カイル ジム デフェリス スコット マクイーウェン Chris Kyle

原書房 2012-04-23
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US NAVY SEALs 隊員によって書かれたノンフィクション。同じくSEALsによって書かれた「アフガン、たった一人の生還」の著者、マーカス・ラトレルとは友人とのことで、こちらのカバーメッセージを書いている。

シールズとしての訓練から9.11後の作戦活動に何度も参加、イラクの反政府勢力からは悪魔と呼ばれるほどの狙撃をなしとげ、その後PTSDを煩って退役するまで半生を描く(今年2月3日にアメリカ国内で射殺されたとのことで、実質伝記とも言える)。有名なファルージャでの戦いを始め、戦争の現場で何が起こっていたのか、米軍(と言ってもエリートのSEALsなので、一般兵とはまた違うだろうが)が何を考えているのか知ることができる。一方、好戦的な性格や言動、乱暴的なSEALs内のしきたりには、読む者によっては不快感を覚えるかも知れない。

所々に、妻との馴れ初めから出産、ずっと戦地に赴き家を不在とすることによる妻の葛藤などが書かれているのだが、著者とは別に妻が記載しているのも面白い。状況は違えど、男と女のすれ違いを良く表している。本当かどうかは別に、SEALsの離婚率は95%(P.67)というのも納得できるほど、すれ違い過ぎるのだが。。。