自己啓発: 2011年1月 Archives

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル―論理と知覚を磨く5つの極意
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル―論理と知覚を磨く5つの極意峯本 展夫

生産性出版 2007-03-20
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本書は、以下の3部構成となっている。

第1部 プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル---役割と責任
第2部 プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルの理論と知覚---「近くのものを遠くから見る」5つの極意
第3部 プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルのためのPMBOK超解説

第1部では、プロフェッショナルの責任からはいる。では責任とは何か、その解の1つとして、本書ではIntegrityをあげている。
 「その場にいない人に対して忠実になること」(P.38)
言行一致といった、プロ云々の前に人としての高貴な人格を問う。
第2部では「型は美、技は心」という武道の教えを例に示す。全体や変化のとらえ方、「待つ」重要性、見えないもの・前提へのアプローチなど感覚的でなかなか意識しないと訓練できない部分について著者の経験に基づきフレームワークや日常の訓練方法などを紹介。
第3部でPMBOKの解説に入るが、そこも単なる試験対策本ではない。例えばリスクの箇所で、
「昨日の問題は、今日のリスクである。」"Yesterday's problem is todays's risk." (P.191)
など、思考の着眼点を考えさせられる(上記の解説は、本書で確認されているので割愛)。
 著者も、本書が完璧ではなくあくまでも参考となる1冊と記載しているとおり数多あるPM本の1冊だが、気付きや拠り所として、手元に置いて何度も読み返したい。
マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]
マネジメント - 基本と原則  [エッセンシャル版]P・F. ドラッカー 上田 惇生

ダイヤモンド社 2001-12-14
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初めてマネジメントを体系だってまとめた著として、未だ(あるいは今だからこそ)バイブル的な1冊。エッセンシャル版と言うことで非常に読みやすくまとまっており、環境・時代こそ変われど中身は普遍的なもので、読む人・その状況にかかわらず、万人にとって参考になる1冊。

”マネジメント”のタイトルの通り組織の管理職・経営職向けではあるが、プロフェッショナル、即ち自らのマネジメントという観点で新入社員から、繰り返しになるが万人に貴重な1冊である。

読む毎に得るものがあるが、以下、今回特に印象深かった記述を備忘録がてら記載。

・企業の目的(P.15)
・仕事とは何か(P.58)
・致命的なことは、不平等化の錯覚である。(P.115)・・・アメリカの社会的病として記述しているが、正に小泉政権の格差拡大を問題視していたことにも読み替えられる。
・組織の精神(P.145)・・・天才をあてにするな、成果を中心に考える
・必要な(組織の)階層の数については、西欧社会における最古にして最大のもっとも成功している組織、カトリック教会が参考になる。(P.194)
・イノベーションを行うには、組織全体に継続学習の風土が不可欠である。(P.271)