自己啓発: 2012年4月 Archives

働く君に贈る25の言葉働く君に贈る25の言葉
佐々木 常夫

WAVE出版 2010-10-21
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著者が甥っ子へ、新入社員となった時から成長していく過程へあてた、手紙形式の本。「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」と同様の種だが、こちらはより日本の会社員向け。このような類は一歩間違えると説教・自慢話となりかねないが、本書はそのような雰囲気がなく、著者の優しさを感じられる。
会社に入って迷ったとき、悩んだとき、新入社員はもとより社会人となって年月が過ぎた時にも、何かしらのヒントを得られる1冊。
コンサルタントの仕事力 (朝日新書)コンサルタントの仕事力 (朝日新書)
小宮一慶

朝日新聞出版 2011-11-11
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小宮一慶氏が経営コンサルタントとしての姿勢を書いた1冊。コンサルタントとは何か、そのスキルを「話を聞く」「理解する」「関連づける」「話す力」「書く力」「説得する力」の6つに定義し、勉強法、行動力、時間の使い方について具体的に解説する。本書を通じて非常に感銘を受けたのが、氏が圧倒的に顧客主義であること。また、会社の状況を把握するのに清掃や挨拶で見る、というのも興味深い。

最も本書から得られたポイントは、原理原則を持つ、そのための手段として古典を読むと言うこと(P.103)。いくつかのサンプルとして、『論語』、及び『論語の活学』(プレジデント社)、松本幸之助氏の『道をひらく』、渋沢栄一翁の『論語と算盤』をあげている。また、何が人を動かすか理解するために心理学を学ぶという点で、『9つの性格』(PHP研究所)をあげている(P.117)。

ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則
本田 直之

日本経済新聞出版社 2011-11-10
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昔からのホウレンソウは排除、定型業務はフレーム化し、クラウドなどのITツールで自動集計・確認できるようにして、上司はよりクリエイティブな仕事に時間を使おうという趣旨。仕事が大きく変化せず、目標を立てやすかった(かつ上司も経験していた)時代には、逐一確認し、アドバイスしていた方法が有効だったが、変化が早くなったときには方法も変えるべきであり、至極納得性のある内容。社内(営業)ミーティングなど、スピードの遅い会社が全くもって当てはまると実感。なお、近年言われる草食系・ゆとり世代は”進化”(P.22)というのが面白い。著者が若者だった90年代の主流の考え方”24時間働けますか”世代はその後、滅私奉公によって1つの会社でしか通用しなくなったのだ、と。
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル Michael J. Sandel

早川書房 2010-05-22
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日本でもNHK「ハーバード白熱教室」他、TV出演して有名な、ハーバード大学教授。中でも学部科目「Justice(正義)」は延べ14,000人を超す履修者数を記録と言うから圧巻。

本書でも様々なケーススタディを提示し、「正義」とは何かを問いかける。例えば1人を殺せば5人が助かる状況での選択、金持ちに高い税率を課す妥当性、戦争の徴兵と傭兵、同性婚にアファーマティブ・アクション(多様性を目的に、人種別に枠を設け、少数の人種を優遇する制度)など枚挙に暇がない。

こうした解のない問いに対し、如何に考え、単なる思いつきや感情ではない答えを出すか。そうした問いに出し、アリストテレスなど偉人の哲学、最大幸福原理と功利主義やリバタリアニズム(自由至上主義)と言った軸を提示する。
こうした授業を受けられる大学生は幸せだと思うと共に、”脳が汗をかく”ほどに考えることで、思考能力の質があがる。人生、どの時期であっても(あるいは時期毎に)読みたい1冊である。