自己啓発: 2012年8月 Archives

思考力が目覚める ロジカル頭脳問題集 (新書y)思考力が目覚める ロジカル頭脳問題集 (新書)
大石 哲之

洋泉社 2012-08-04
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新書のロジカル問題集ということで手軽に購入して読め、実際、内容も非常にシンプルなのだが非常に奥深い。内容は
・フェルミ推定問題13問
・ロジカル会話問題16問
・ビジネスケース問題4問
の3部構成で、それぞれの末尾には類題を掲載、計55問はどれも濃い問題ばかり。さらに、各問題は体系化されており、それぞれのイントロには考え方が整理されている。特に2番目の”ロジカル会話問題”の導入部の解説は論理学のツール(因果関係・帰納法・演繹法・弁証法)、論理的な会話のツール(論点の整理・問題点の見極め・悪魔の証明・白紙の結論・フレームワーク)はそれぞれ数行ながら、エッセンスが凝縮されており、それぞれ問題を解くことで理解できる構成となっている。

尚、フェルミ推定問題、ビジネスケース問題などは著者の前著「過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題」がより詳しい。
最強の人生時間術(祥伝社新書247)最強の人生時間術(祥伝社新書247)
齋藤 孝

祥伝社 2011-09-02
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普通の時間管理術の本と異なるのは、タイトルにもあるとおり、人生、それも30歳からをターゲットにしている。P.39にある図が全てを物語っているのだが、人生30から4つに区切って説明している。そして人生では2つの山を築くよう提唱しており、即ち、45歳頃をピークの仕事人生の山と、60から70歳をピークとした自由を満喫する人生の山。前者は効率よくひたすら量をこなして仕事に集中し、後者は健康にも気遣いながら生活や文化とのバランスをとっていく。一見相反する2つの山の谷間、45~60歳にいかにうまくギアチェンジするかが、その後のQOL(人生の質)に重要であると説く。

一心不乱に仕事に打ち込む必要性を肯定しつつ、長い人生で考えたときにはそれだけでは不健康や老後の焦燥感など不幸せになる可能性を示唆され、人生全体を見渡していつどのように過ごし、そのためにいつ何をすべきか。文量の少ない新書ながら、いや、少ない新書だからこそ、人生という長期スパンを俯瞰して考えさせられる。


以下、備忘メモ

明治の文豪・幸田露伴は娘の幸田文に家事を教えるとき、「家事というのは追われてはいけない、こちらから追って、追って、追いまくるのだ」ということを言っています。(P.44)

家事だけでなく、物事の対処の考え方として、奥深い。