自己啓発: 2011年11月 Archives

反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力
反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力荘司 雅彦

日本実業出版社 2008-06-19
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弁護士による、反対尋問をベースにした交渉術。”悪用厳禁”とまで謳っているが、中身は至極、実用的で分かりやすい。嘘を見破る方法として、一般的に目や仕草(例えば指先を動かしたり手を組んだり)、早口になることはよく言われるが、本書では実際の法廷(内容はModifyされているが)を題材にすることで、納得感がある。とくに尋問の応対については、リンカーン(大統領になる前は弁護士)のエピソードなども引用しており、読み物としても面白い。

本書は悪意を持っている人にどう対処するかの対策もあるが、論理づくめで相手を根負けさせることだけを目的としていない。即ち、相手を立てて軟着陸させること、人間は嘘をつこうと思ってつくことは意外に少なく、勘違いや思いこみが多いことを説明しているあたり、現実社会に則していて実用的である。
最高齢プロフェッショナルの教え
最高齢プロフェッショナルの教え徳間書店取材班

徳間書店 2010-12-17
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91歳の漫画家、「アンパンマン」の作者やなせたかし氏を筆頭に、2万5000時間という驚異的な飛行時間を持つ88歳の現役最高齢パイロット高橋淳氏、83歳の現役ライフセーバー、93歳の現役スキーヤーなど、タイトルの通りとにかく精力的ですごい人がたくさん紹介されている。唯一の例外を除き皆70歳超なのだが、その唯一の例外、現役最高齢JRA騎手として登場する方の年齢”51歳”が若いと思えてしまう。(注:年齢はいずれも本書より。2010年12月第1刷。)

職業も環境も銘々異なるのだが、どの人も圧倒的な経験を積んでいるだけに、言葉に重みを感じる。何か悩み、苦労しているときにこの本を読めばきっと心が晴れやかになるだろう。103歳声楽家 嘉納愛子氏の言葉が心に残る。

”103年生きていて思うのは「人生は公平だ」ということ。苦労したら同じだけ、恵みがあるんです”

成川式文章の書き方―ちょっとした技術でだれでも上達できる
成川式文章の書き方―ちょっとした技術でだれでも上達できる成川 豊彦

PHP研究所 2003-09
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文章の善し悪しは、常套となる「型」を知っているか知らないかでだいぶ違ってくる。本書はそうした「型」毎に改善ポイントと悪い例・良い例とともに多数掲載されている。大抵は小学校の作文で一通りのことを習った後はなかなか文章を添削される機会も少ないので、そうした「型」(ルール)を知らない・忘れていることも多いだろう。事実、本書を一通り読んで知らないこともあった。

一例を挙げると、”37 カギカッコでくくった文章には句点「。」を打たない”。
悪い例(抜粋)
 ①「今日は雨が降った」。
   「今日は雨が降った。」
良い例(抜粋)
 ①「今日は雨が降った」
 ③花子は言った。「今日は雨が降りそうね」。
 ④「今日は雨が降りそうね」。花子は言った。
基本はタイトルの通り、悪い例、良い例の1番目だが、良い例の③④のように前後で文章が続くときは打つ、など。
※但し、”昔は閉じ括弧の前にも句点を打つことがあった”と記載の通り、市販の書籍でも句点が打たれている文は多い気がする。

いろいろ参考になった書籍だが、各種のルールで、例が具体例をあげるものの本質的でない印象を多々受けた(例えば、”一般に、慣用が固定していると認められるもの”<P.241>などは判断を読者にゆだねるよう受け取れる)。また、常用漢字を使用する(P.160)例として、”新製品の進捗状況”を悪い例とし、良い例に”新製品の進行状況”をあげるなど、一般的なビジネスの実態からは疑問の箇所もある。
35歳の教科書―今から始める戦略的人生計画
35歳の教科書―今から始める戦略的人生計画藤原 和博

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リクルートを経て、杉並区立和田中学校の校長へ赴任、義務教育初の民間人校長として一時期ニュースを賑わせた著者だけあり、シンプルながら非常に中身の濃い1冊。

成長社会から成熟社会へ移った現在、周りと同じようにしていればマイペースでいられた時代は終わりを告げ、臨機応変に対応する力が求められる。著者の主張は、これからの成熟社会で如何に戦うかを諭す。メニエル病にかかりワーカーホーリックを脱したというだけあり、所謂ライフバランスとも違った独特の世界観を持っている。クリティカル・シンキングやプレゼンテーション能力といった一般的なビジネス能力の話から、成熟社会の手本としてヨーロッパ、フランス人の生活信条「アール・ド・ヴィーヴィル」(暮らしの美学)を出したり。

天才の条件10000時間を出して25歳からの35歳までが未来を左右するなど、タイトルを真に受けて35歳の人が読むと凹みそうな部分もあるが、

・自分自身のリストラ(テレビ、新聞を止めてみる)
・100を基準に挑戦する
・決断するときに人に相談しない

などなど、年代問わずに参考になる、心に響く箇所があること請け合い。