自己啓発: 2013年4月 Archives

生き方―人間として一番大切なこと生き方―人間として一番大切なこと
稲盛 和夫

サンマーク出版 2004-07
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京セラ、KDDIを育てた著者(ちなみに、本書の執筆はJAL再建に関わる前)が、人生の哲学について語る。

仏門に身を置いただけあり、その考え方は道徳的であり、「心」に重きを置く。目先の利益に惑わされず、他利を考えるその姿勢には、一経営者を超えて、タイトルの通り生き方として学ぶ点が多い。
一方、道徳的と言っても、決して仕事を軽視しているわけではない。むしろ、仕事を如何に楽しめるかで人生の輝きが決まる、集中して没頭すべきという、厳しい一面も伺わせる。

少し気になったのは、”日本人は「美しい心」を失ってしまった"のように過去を美化する点があること、仏教の三毒として”妬み”をあげること(これは煩悩の1つであるが、仏典の三毒は「貪・瞋・癡」で違う)。


以下、備忘録として。

・楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
好きな英語のフレーズで「Think Positive, Simulate Negative」があるが、これは同等のことを言っている上に、さらに実行時について言及されており、心に残った

・西郷隆盛も、「徳高き者には位を、功績多き者には報奨を」と述べています。
前の会社含め、能力・人間性と功績を一緒に評価する人事制度は多いが、所謂ピーターの法則となる。100年以上前に、両者を区別する人事制度を考案していた人がいたと、正直驚きを覚えた。

・心を磨き、高めるには、日々の生活の中の精進が大切であると言うこと(略)。布施、持戒(じかい)、精進、忍辱(にんにく)、禅定、智恵というお釈迦様の説いた「六波羅蜜(ろくはらみつ)

本日の1冊: 心晴日和

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心晴日和心晴日和
喜多川 泰

幻冬舎 2010-02-25
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自己啓発本というには、少し肩肘張り過ぎか。「自分の小さな「箱」から脱出する方法」と似た類で生き方、考え方を示唆してくれる1冊だが、こちらはストーリー自体の面白さもある。

ストーリーは主人公の女性が悩み自立していく14歳の時、社会に出ていてそれなりに自立しているが、あることをきっかけに人生の意味を考えさせられる28歳の時と二部立てとなっている。単純明快、全てがこのように良くいくわけではないと著者も言っているとおり、できすぎの感はあるが、不思議と嫌みに感じない。むしろそれが心地よくもあり、所々でてくるフレーズが心に突き刺さる。例えば、

「人間は、自分が探しているものしか見つけることができない」
「他人は変わらない」
「人生において起こる全ての原因は自分にある」
「真実は1つ解釈は無限」

挙げれば枚挙に暇がないが、どれも結局は、自分の人生を自分で生きる、即ち自立するということに尽きる。
本書にも語られるメッセージ「空白の将来を『不安』で埋めるか『希望』で埋めるか、前者は安定を求め、後者は挑戦する。同じく失敗したとき、前者は他人に転嫁して依存するが、後者は成長するチャンスが生まれる。自分の人生に自分で責任を持つ」が強く、心に残った。
国が悪い、会社が悪い、時期が悪いと責任転嫁するのは簡単だが、そうした考え方は結局は他者に自分の幸せを委ねている。本書では、そうした人は最後に、依存していたと気付くとあるが、周りを見るとそれに気付かない人も如何に多い。自分自身、心に強く刻もうと自戒を込めて、所感の結びとする。