自己啓発: 2011年9月 Archives

「情報創造」の技術 (光文社新書)
「情報創造」の技術 (光文社新書)三浦 展

光文社 2010-05-18
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強烈なインパクトあった「下流社会」の著者のアイデア本とあり、非常に興味深い内容の1冊。著者によると、これからの社会に生き残る力、他者と差別化できる能力が、即ち情報創造力とのこと。その必要性、方法、情報の収集と整理(なぜか方法提示の後)、そして仮説の立て方と続く。

情報創造の方法にある、著者のオリジナル(と思われる)フレームワークが非常に斬新だった。短期、中期、長期で時間軸を分け、それぞれ事象を火薬と引き金のマトリクスにする。(P.101)

いろいろおもしろい点、参考になる点は多々あったが、著者への批判に対する反論(それも主観的な)が少し読み手を興ざめさせてしまい、残念。こういう類の本、せっかくなので、そのアイデアの中身で勝負してほしかった。
SEからコンサルタントになる方法
SEからコンサルタントになる方法北添 裕己

日本実業出版社 2008-01-31
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内容は簡潔でわかりやすい。のだが、タイトルと内容のギャップが気になる。メソドロジーやフレームワークの説明、ケーススタディの解説などは一切なく、転職のための内容は後半に少しあるだけなので、”コンサルタントになる方法”というよりは、(要件定義・PMを担当する)上級SEへの架け橋と、コンサルタントとは何かを紹介する本といったところ。また、また、コンサルタントの分類は前半でしているのだが、具体的な解説(例えば報酬体系)は、全体の一部分(おそらく筆者の環境のみ)を書かれている。パワーポイントの使い方ではフォントサイズなど、少し細かいのも気になる。(おそらく、タイトルでこの本を取った人はこういうことを学びたいのではないと思う)。
観想力 空気はなぜ透明か
観想力 空気はなぜ透明か三谷 宏治

東洋経済新報社 2006-10-20
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主題の”空気はなぜ透明か”はアクセンチュアの採用面接で三谷氏が課したお題とのこと(P.1)。発想力や、はてはなぞなぞのように捉えてしまいそうだが、アクセンチュアの面接課題、かつ三谷宏治氏の著書とあり、そこには至って普遍的で論理的な展開が成される。

常識に囚われず、本質を見抜くか。著者はそのためのポイントを「視点」、高さの「視座」、見通し方の「切り口」と説き、その力を「観想力」と名付けている。前半でそのポイントの説明や各分野の(将棋の羽生名人など)言葉を引用、後半には種々のビジネス成功モデルのケーススタディ、最後に2×2のマトリクスツールの解説と続く。

難しいことを簡単に、深く、面白くまとめられた内容は感銘の限り。なぜもっと早く手に取らなかったのだろうと思う。

余談ながら、世間一般ではクラウゼヴィッツ的な理論はなかなか理解されない。しかし、正しい視点を持つトレーニングの1つと記された”無定形に知識ベースを拡げる --- 乱読のススメ”(P.179)のような論調は、クラウゼヴィッツ理論を頼る者としては嬉しいと共に心強い。