自己啓発: 2010年2月 Archives

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)
傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)
光文社 2009-06-17
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おすすめ平均 star
starタイトルそのままズバリで内容にうなった
star自らの権威を守るために新療法を拒否する医師は恐ろしい
star医学界全体の問題についても言及されている

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傷を消毒して乾燥する治療を真っ向から否定する本書。ここでの正しい傷口治療は
①出血を止める
②ハイドロコイド(商品名:キズパワーパッド)、プラスモイスト(http://www.allergy-biz.com/ などで購入可能)、白色ワセリン(商品名:白色ワセリン、プロペト、Vasellin)、あるいは食品ラップで覆って乾燥を防ぐとともに、1日数回、汗や滲出液(ジュクジュク)を洗うだけというもの。消毒液は外敵を攻撃する皮膚常在菌までも殺してしまい軟膏(クリーム)は含まれる界面活性剤が傷ついている細胞を破壊するため逆効果といている。それらの内容については治療結果や、自らの体実験結果で示している(http://www.wound-treatment.jp/)。ではなぜ、誤った治療が未だ医療現場で横行するのか。権威の話、思考停止等々でるのだが、話は中盤からは「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」と同様にガリレオの天動説・地動説問題同様、時代時代に誤った定説があること、それが正される経緯をパラダイムシフトとして説明。
後半は皮膚と体内が異なる治癒能力・過程があることを、生物の進化の過程から説く。間等、陸に上がった生き物は体内(血液)から治す仕組みが出来上がったのに対し、皮膚(表皮)は傷つきのシグナルで回復する。後者のシグナルとはドーパミン、即ち脳は皮膚から作られたという仮説まで登場する。
序盤は、消毒など既存の考え方がいかに間違っているか、延々と説かれるのかと思っていたが、中盤以降は前述の通り科学や歴史、生物の進化から意外な仮説検証まで、最後まで一気に引き込まれる内容だった。実用書としてはもちろん、物語としても非常に面白い1冊。
c.f.
以下、読後メモ
・昔、外科は床屋の仕事だったため、赤(動脈)・青(静脈)・白(包帯)のサインポールが使われる(P.142)。
・ゼンメルワイスとリスター(P.88)
・パラダイムはトーマス・クーン(1922~1996)が定義(P.149)
・生まれたばかりの新生児を母親が抱く、授乳するのは母親の皮膚常在菌を分け与えて定着してもらう意義がある(P.220)。
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おすすめ平均 star
starお勧めできない一冊
star元気になれそうです。
star自分の世界の狭さを自覚し、行動の幅を広げるきっかけに

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ばっさりと切り捨てるような口調に批判もある大前研一氏だが、一般の人の遙か先を見越す視野の広さには敬服する。本書でも、世の中が、ルールが変わったのに今まで通り昼行灯な日本人を一刀両断する。強烈な目覚ましとなるか、反論や妬みで終わるか(論理的な反証できるならこの限りではないが)、読む人によって異なる。しかし、何かしら問題意識を持っていれば、何かしらの気付きが得られる。ぜひ、自分の明日のために読んでおきたい1冊。

内容構成は以下の通り。

・現状-序章:下克上の時代
・解決策-第一~三章:三種の神器。i.e. 語学力(英語)、財務力、問題解決力
・その他-第四~五章:勉強法、会議術
・未来-終章:人生設計

 

 ■メモ

エスペラント語:1887年、ポーランドのL.L.ザメンホフが国際共通語として考案した人工語(P.54)
アマルガメーション(amalgametion):地上げ(P.81)
リブート:もともとカウボーイがブーツを脱いで靴底の石を取り除くという意味。(P.124)

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star「使う力」ってタイトルで本を書いてみようと閃いただけだと思う
star早く読むことができるので○
star知識は・・使うためにこそ

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知識(Input)については日本の教育の特異とするところだが、それを使う力(Output)の会得方法は体系化されておらず、師弟制度でもなければなかなか積極的な習得が難しい。本書はそうした使う力の定義から、習得方法を記す。BCGの日本代表が著者とのことで、堅い内容を想像するも非常に簡潔にまとまっている(難しいことを簡潔に表せるところに、著者の能力の高さが窺い知れる)。

言わんとするところは野口吉昭氏に近い物があるが、野口氏の著者が実例や感覚的な側面が強いのに対し、こちらの方がフレームワークも多く解説、ロジカルシンキング・企画力・会議力といった実務から気持ちやリフレッシュ方法といった記載もあり、より俯瞰的。

キーワード:ブレット・ポイント 要点をまとめること

c.f.

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