ビジネス書: 2010年12月 Archives

タイトルの要求定義・要件定義から、RFP・基本仕様書との関係までに関するトピックスを解説する。留意点に関する入門書として適する。但し記述が文章体で、55の”ルール”以下があまり体系だっておらず、頭に入りにくい。一般論レベルで、定理・定説というほどではなく、実体験の類でもないのでさらっと流し読みとなる。

タイトルの通り要求定義・要件定義から基本設計に至る範囲をターゲットにした、モデリングの入門書。所謂上流行程の入門書は、巷に氾濫するプログラミング技術（言語・ツール）と違い、数が限られ、大きな書店・ネットでないと手に入らない。一見、それだけで敷居が高く感じてしまうが、本書は入門書という名の示すと売り、要求定義～設計の入り口までの手順を図入り・例ありで丁寧に、わかりやすく解説している。付録にある、モデリングのシミュレーションだけでも一見の価値あり。

PMBOKの概念を、即戦力に必要な現場レベルで書かれた1冊。PMBOKがあくまでも知識体系であり、それだけでは何の実践力を持たないのに対し、本書は著者の豊富な経験に基づく例や本物の日本語（少なくとも、私の頭ではいくらPMBOKの日本語版を読んでも実践への展開という意味で腹に落ちなかった）で書かれている。特にメンバーへの動機付け、交渉、得てして精神論に陥りやすい事項が、机上の空論ではない、理論的・実践的な解説ですばらしい。

PMP取得後、あるいは取らなくてもProject Managerは読んでおきたい1冊。