ビジネス書: 2012年3月 Archives

1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術
斎藤 岳

東洋経済新報社 2008-06-27
売り上げランキング : 21252

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

会議の運営、ファシリテーション能力について”テクニック”を論理的なストーリーと共にまとめた1冊。「ザ・ファシリテーション」と同様にストーリーを通じて各種テクニックを示す形式だが、こちらはストーリー部分がおまけに近く、また全体的に内容が(いい意味で)シンプルなのでテクニック部分がわかりやすい。こうした簡単な本をテキストに、何度も読み返すのが、身につきやすいんだろうと思う。
ユニクロ帝国の光と影ユニクロ帝国の光と影
横田 増生

文藝春秋 2011-03-23
売り上げランキング : 37952

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

破竹の快進撃を続けるユニクロ。そのユニクロもかつては安かろうダサかろうというイメージであったり、あるいは一過性のフリースブームによる失墜や野菜事業の失敗もあった。それでもここまで伸びる理由はなんであろうか。本書はユニクロの会長・社長で一時は社長交代も数年で更迭&社長返り咲きするなど、実質ユニクロを1人で背負っている柳井正氏にスポットを当てつつ、内情を探る。

ビジネス書・雑誌ではユニクロを絶賛するところが多い中、いまいちユニクロの実態が見えていなかったので、貴重な1冊。柳井氏やユニクロの生い立ち(小郡商事)から、元社員の声、そして中国の生産現場から柳井氏本人へのインタビューなど、徹底した取材内容から見えてくるユニクロの強さ、柳井氏の人間性。そしてSPAの一時代を築きつつも衰退したGAPの例、業界リーダーのZARAとの比較から見えてくるユニクロの脆弱性。今後、柳井氏が去った後はユニクロがどうなるのか、いらぬ心配半分、興味半分。

なお、社員の声などは得てしてネガティブな声が多く、今まさに働いている人や去って行った社長初め役員達の声はほとんどなく、スッキリしない部分が残る。
ザ・ファシリテーターザ・ファシリテーター
森 時彦

ダイヤモンド社 2004-11-12
売り上げランキング : 7162

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ファシリテーションのノウハウを、ストーリー仕立てで学べる。「ザ・ゴール」と同じデザインでシリーズものの1つか、と思うも作者がエリヤフ・ゴールドラットではない。期待半分で読むと・・・「ザ・ゴール」に劣らず有益・面白い物語だった。

主人公がフレームワークなどファシリテーションのツールを駆使しながら、会社を建て直していくストーリーの中には、山あり谷あり、読者を驚かす展開も含まれており、なかなか飽きさせない。肝心のファシリテーションのノウハウもフレームワークや各種ツール類からテクニックまで多々含まれており、ファシリテーターのテキストとしても有益。

以下、備忘録。

1920年代、シカゴにあるウェスタン・エレクトリック社のホーソン向上で行われた実験。(略)証明、温度・湿度、休憩の回数・時間、インセンティブ給などいろいろな物理的条件を変えてみたが、どれも作業効率との間に明確な相関性を見いだせなかった。(P.304)

内臓の動き、血圧、感情・・・。自分の心や体でも自分の意志の力でコントロールできるものは少ない。(略)その中で、呼吸は、ある程度石によってコントロールできるユニークな機能だ。その呼吸に集中することで、本来不随意であるはずの血圧や、内臓の動きを調えることができる。(略)禅や世が、自律訓練法などが教えているではないか。(P.332)
ザ・プロフェッショナルザ・プロフェッショナル
大前 研一

ダイヤモンド社 2005-09-30
売り上げランキング : 16339

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

大前研一氏がプロフェッショナルを定義する1冊。ドラッカーの予言通り、知的労働者と作業者の差が歴然とする時代、どのように立ち振る舞うべきか指南書。本書によると、プロとしてもつべき能力は具体的に「先見する力」「構想する力」「議論する力」「矛盾に適応する力」と定義される。いずれも、解のない世界を生き抜くのに必須の能力だろう。
本書の内容は至極端的に書かれているが、分かったつもりは容易く、実践は難解。理想を思い浮かべつつ、自分をどこまでそこへ寄せられるか。。。
ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」と同様、1度は(理想は何度でも)読みたい1冊。