ビジネス書: 2011年9月 Archives

132億円集めたビジネスプラン
132億円集めたビジネスプラン岩瀬 大輔

PHP研究所 2010-11-16
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ライフネット生命・副社長の肩書きで有名な著書。一見、タイトルからは錬金術のような類を想像してしまう可能性もありそうだが(私だけか?)、至極まっとうな1冊。新会社の構想から、実際に出資を募る段階で説明された新規生保のリスク、対象とするマーケットといった内容をロジカルに書かれている。とにかくそのシンプル・明快な説明は心地よく、ライフネット生命のファンが増加している原点が垣間見える(社長、出口氏の魅力もあるがここでは割愛)。

前半の論理的な展開と変わって、後半の人集め・組織作りの説明ではパッション(情熱)が濃く出てくる。目指すべき目標、意志の強さといったものの大切さもしみじみ感じさせられる。論理と情熱のバランスが感動的ですらある。

BCG出身でもある著者だけあり非常にロジカルに書かれており、戦略立案の参考はもちろん、人生観を考えるきっかけなど価値ある1冊。
A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge (Babok Guide)
A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge (Babok Guide)Iba Iiba Kevin Brennan

International Institute of Business Analysis 2009-03
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要件分析(要件定義)を知識体系にまとめたガイドブック。PMBOKはだいぶ世間一般に知れ渡り、Project Management は体系だった管理が主流になりつつあるが(うまく回っているかは別として)、要件定義のフェーズはそれに比べて1世代も2世代も前の進め方ではないだろうか。即ち、完全にスキルが属人化しており、またそのノウハウも個人が四苦八苦しながらベスト解を模索している段階と言えよう。

ここで簡単にBABOKを紹介すると、PMBOK同様に知識エリア(knowledge area)を定義しており、各エリア毎にタスク・テクニック・インプット・アウトプットを定義している。

自らの体験を鑑みても、全容がわからず闇雲に仕事をしていたことが多いだけに、参考となる部分が多い。要件定義の漏れ・抜けがどれほど後続タスクに響くか、そのためにプロセスの全容を把握することが重要なのだが、例えば本書の各タスクなどは、流用してチェックシート化することもできよう。Project ManagerがPMBOKの知識必至なのと同様、業務分析・要求定義・要件定義をする者にとって、必読の1冊。

本日の1冊: BABOK超入門

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BABOK超入門
BABOK超入門広川 智理 日経コンピュータ

日経BP社 2011-03-21
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要件定義の知識体系、BABOK自体がまだ世間一般に知れ渡っていないため、その解説書も非常に少ない(7月に購入した時は、本書と他にもう1冊くらいだった)。

本書はBABOKを「30日で完全マスター」という触れ込みの入門書で、文字も空白も大きく、単に読むだけなら1~2時間もあれば十分だろう。その中に、エッセンスを凝縮している。BABOK自体はPMBOK同様に知識体系書なので、それ自体に順序性がなく、なかなか読み解くには骨が折れるのも事実。本書で流れを把握し、必要に応じて原書を参照するという使い方が向いていそう。

まだマイナー=高い(内容の割に1800円)のをどう評価するか、分かれ目となりそうである。