歴史小説: 2013年3月 Archives

竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎

文藝春秋 1998-10-09
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池田屋の変、蛤御門の変と、長州藩の動乱、それによる佐幕に傾く過程が描かれる。ここで、勤王的な動きは完全に潰えるかに見える。史実を知っていても、そうした動きは興奮さえ覚える。

さて、竜馬はと言えば、勝により西郷隆盛と出会い、お互い認め合っていく。何気ない小話から始まるも、ここに歴史の偶然、必然を感じさせる描写が、読む者を惹きつける。その勝は、先の変で海軍学校からも長州に加わった土佐浪士が居たことから幕府に呼び戻され、肝心の船は没収される。
さらに竜馬の色恋ありと、読む者を飽きさせない。
竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎

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竜馬が海軍育成に苦心、金策に走り回り、いよいよ船を調達する。当時は誰もがすっ飛んでいると思っていた夢を思い描き続け、実現した心境は計り知れぬ。と同時に、尊皇・佐幕といった思想が、如何に小さいことか。いや、当時の人々はそれでも自分の信念に従い、忠実に生きたのだろう(切腹することとなった竜馬の親友、武市もしかり)。そしてその違いは何か、所々にヒントが出てくるが、竜馬に大局を見、時流を読む能力に長けていたの一言だろう。
そんなこんな考えながら、物語は折り返し地点、いよいよ面白さもスピードアップしてくる。

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