古典: 2014年6月 Archives

アドラー 人生を生き抜く心理学 (NHKブックス)アドラー 人生を生き抜く心理学 (NHKブックス)
岸見 一郎

日本放送出版協会 2010-04
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アドラー心理学を、彼の生い立ちや置かれた環境とともに解説する。「嫌われる勇気」の後だと、単に個人主義というよりも、むしろ他者との関わり合い、アドラーの言葉で言うところの”共同体感覚”に重きを置かれていると感じる。

アドラーの著作から引用するところが多いのだが、「子どもの教育」の多用からもわかる通り、アドラーが子どもに対する教育に深い考察をもっていた点も興味深い。
例えば、兄弟順位による個性の違いの解説や、叱ることや褒めることの弊害と勇気づけの必要性は、疑問点はあるものの、納得したり、斬新だった

また、「嫌われる勇気」では他者の評価を気にしない、他者の問題を解決しないという個の重要性を感じてすっきりした分、こちらでは無償の愛的な奉仕が強調され、矛盾と感じる両者の融合に頭を使わされる。

もっとも、個の置き方や他者との関わり合い、人生を考える上で、本書は適切な1冊であることに変わりはない。

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