本日の1冊: フリー
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 | |
小林弘人 おすすめ平均 「自明である」と切り捨てられない良書 「古くて新しいビジネスモデル」 これまであるようで無かった本 とりあえず読んでも損は無し ”ルール”が変わったことを認識させてくれる 不正コピーを潜在的なファンを作るためのマーケティング Amazonで詳しく見る by G-Tools |
Googleを始めとしたネットにおける無料の世界を十分理解しているつもりでいたが、それでも得るもの・目から鱗が落ちる思い多数だった。
例えばMP3等の違法ダウンロード。罪は罪なのだが、日本語の「罪」にSINとCRIMEの区別がないためか、違法=道徳的にも悪という短絡的な考えに結びつきやすい。しかし本書を読んで、単に現状ではCRIMEというだけであり、むしろ旧態依然とした過去のしがらみにしがみついているだけでは、と思い知らされる。音楽(主にレコード会社)だけではなくTVにしかり、新聞にしかり、市場が縮小しているのに、著者の言葉を借りれば”ルールが変わった”のに、新しいビジネスモデルを模索するどころか、現実に目をつぶっているように感じる。
本書はフリー化した過去のビジネスモデル------例えば本体(かみそり、プリンタ、etc.)を安く売って周り(替え刃、インク、etc.)で儲ける------から現在のWeb2.0世代のビジネスモデルまで全貌を俯瞰でき、要所要所にコラムで現在のフリー(無料)のビジネスモデルを、、巻末にはフリーを利用した50のビジネスモデル紹介など、内容も非常に濃厚。
産業革命が起こったとき、”人々は筋肉が衰え機械に支配される”といった杞憂があったように、100年規模の変革が起こっている今の現実に目を背けていたら、時代に取り残されるだろう。
読んで損はない、と言うよりこれからの時代に必読の1冊。
c.f. 日本語の特設サイト http://www.freemium.jp/ も設けられている。
2009/1/17 追記 日経新聞の書籍紹介コーナーに掲載
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