本日の1冊: クアトロ・ラガッツィ 下―天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)

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クアトロ・ラガッツィ 下―天正少年使節と世界帝国 (2) (集英社文庫 わ 13-2)クアトロ・ラガッツィ 下―天正少年使節と世界帝国 (2) (集英社文庫 わ 13-2)
若桑 みどり

集英社 2008-03-19
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上巻の夢と希望に満ちた4人の少年の旅立ちからヨーロッパ往訪と打って変わり、下巻では、キリシタンに対する迫害が日本で始まる。最初は理解を示していたかにも見えた豊臣秀吉。しかし、次第に疑心となり、迫害へ流れていく。そして徳川の時代では正式にキリシタン禁令が発令されていく。本書では、その迫害の残酷さと粗雑さに対し、キリシタンの心の穏やかさが非常に際だつ。

そこへ、8年もの歳月を経て帰国した4人。英雄となって、日本を引っ張っていく人材になってもおかしくなかっただろう。歴史の不運というにはあまりにも軽いが、それ以上の言葉は思い浮かばない。本書ではそれぞれの末路にまで言及されているが、それらはなんと表現したらいいのだろう。はかなさ、無情さ、やりきれなさ、むなしさ。

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