本日の1冊: 生還―山岳遭難からの救出
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不運・不注意から遭難した7件の事例を、生還した当事者のヒアリングから、その体験を再現したルポ。本書は安易に結論づけようとせず、あくまでも遭難現場の再現に主を置いているので、山登りをしない人にとっても読み物として興味深い。また、生還と言ってもその内容は過酷を極め、非常に読み手を惹きつける内容だった(中には、蛆が瞼の中に入る、など身もよだつような話も)。
7件は事情も人も山も千差万別なのだが、どれも、遭難したのも助かったのも、他愛もないきっかけや運がほとんど。ちょっとした油断、勘違い、焦りから遭難するが、たまたま(カロリーの高い)マヨネーズを持っていた、その時だけ行程を家族に知らせていた、など。こう書くと身も蓋もなさそうだが、そうした些細な行動から、山で遭難しない、もし遭難しても助かるためのヒントが多い。毎年、遭難のニュースは出ているが、本書の中の記述、例え誰と一緒でも山を登る以上、自分の身は自分で守る意識が必要と言う言葉は思い。
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