本日の1冊: 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

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残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法橘 玲

幻冬舎 2010-09-28
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”適性に欠けた能力は学習や訓練では向上しない”、”子どもの成長に親は必要ない”など、一般に信じられた努力を真っ向から否定する衝撃的な内容で始まる。如何に悲観的な内容で埋め尽くされているのか、と思いそうだが、いざ読んでみるとドラえもんを始めとした身近(?)な事例や参考文献の引用から入り、分かりやすい論理で書かれ、読む者を惹きつける。
最終的には、著者の考える、目指すべき方向性も提示しており(タイトルに”○○の方法”と謳っているので当然と言えば当然だが)、後味もすっきりする。

個々のトピックス1つ1つが参考になるが、中でも納得したのが、”日本人は会社が大嫌いだった”(P.221~)
だ。バブル末期の日本が頂点だった時代でさえ、日本人はアメリカ人よりも仕事に満足していないという調査結果で、日本の高い自殺率の理由を、社員という共同体(コミュニティ)に結論づけて説く。

努力したからと行って誰もがイチローになれるわけではないのと同様、万人に特効薬とはなり得ずには精神論や宗教的な雰囲気も見受けられる自己啓発本。努力や能力開発を全否定することが正しいと思わないが、その対局の考えとして、本書は読んでおいて損はない。

以下、備忘録。
社会学者ロバート・B・チャルディーニの「影響力の武器」による承諾誘導---心理的な要因を利用してYESと答えさせる技術 (P.169~)

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This page contains a single entry by Yuki published on 2011年6月19日 01:48.

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