本日の1冊: 競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

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競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)
競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)大竹 文雄

中央公論新社 2010-03
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おすすめ平均 star
star経済学的思考の一助に
star個別の話題は面白いが、全体としての面白みに欠ける
star日本人は、競争も市場経済も政府による再分配も嫌い

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政治における反動は常に存在するが、とくに現在の規制緩和による弊害・格差の強調は著しい。本書によると、日本人は世界的に見ても競争に対してネガティブなイメージを持ちつつ、結果の再配分に対しても否定的であることを示している。つまり何をしてもしないでも皆横並び、社会主義的な国民性らしい。
者はそれに対し、副題にもあるとおり競争によるメリット、本当の公平とは何かを示す。
経済学者である著者らしく、様々な心理的な側面についてもいろいろな実験結果・調査結果を紹介する。例えば時間割引率による感覚的な違い、男の方が女よりも競争を好むことも、例えば女系部族では逆転することなど、興味深い。
政治の話に戻ると、派遣の規制や最低時給の引き上げなど短絡的な主張が目立つ中、もっと多面的な分析が必要であることに気付かされる。
前述の通り経済学者の本であるため、少々難解なところも登場するが、一般向けを意識しているのかマンガのような挿絵が取っ付きにくさを払拭している。

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