本日の1冊: ホンダF1設計者の現場―スピードを追い求めた30年
ホンダF1設計者の現場―スピードを追い求めた30年 (CG BOOKS) | |
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1961年本田技研工業に入社、66年からホンダ第1期F1開発チームの一員となり、市販車開発を挟みホンダの黄金期(第2期)を歩んだエンジニア田口英治氏とホンダF1の歴史。
話はセナとNA(自然吸気)エンジン幕開けの1986-89年から始まり、著者が車に魅せられホンダに入るまで、著者F1への参加、ターボ時代(1982-88)、圧倒的なパワーを誇ったV12エンジン時代(1990-92)、そして最後は21世紀のF1へとまとまっていく。F1を毎戦かかさず見て、マクラーレン・ホンダが非常に輝いていた頃の'90年前後については、舞台裏とも言うべきエンジン開発や数々の努力・失敗に対するエンジニア達の努力が事細かく書かれ、急遽部品を作成することとなった時の設計書スケッチなども掲載しており、読んでいて興奮すら覚える。
しかしながら、セナが亡くなり、シューマッハが去った昨今、F1が車の憧れ(最高峰)という一般のイメージもだけでなく存在自体が、環境問題等あり、過去の遺物のようになりつつあるのを感じ得ない。著者は良くも悪くも家族をないがしろにし、エンジニア人生糸筋だと書いているが、こういった人生観もまた、古き時代の考え方と言えよう。著者は現在はホンダを離れ、イギリスで働きながらもっぱらクラシックカーを楽しむというのも、哀愁のようなものを感じさせられた。
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