Yuki: 2014年7月 Archives

君と会えたから・・・君と会えたから・・・
喜多川 泰

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2006-07-10
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amazonのレビューでも人気を誇る喜多川 泰氏の著書。テーマである人生をポジティブにする方法を、爽やかでほろ苦い恋愛ストーリーを通して紹介する。

人生を前向きにする考え方・やり方は、やりたいことリストに始まり、他人のためにするリスト、お金の考え方をありがとうの関係として捉えるなど、中には目から鱗のようなものまであり、これだけで読む価値ある。しかしながら、ストーリーもテンポ良く進み、最後には意外な展開になるなど、決しておまけではない。
信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム信頼の構造: こころと社会の進化ゲーム
山岸 俊男

東京大学出版会 1998-05-15
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"日本人よりもアメリカ人の方が、見知らぬ第三者を信頼する。”

直感的には真逆のように感じるが、本書ではこの命題を、そもそも「信頼」の定義に始まり、種々の実験で証明する。

日本では村のように、グループ内では暗黙のルールがあり連帯しているが、一歩外へ出ると赤の他人には厳しいとあり、納得。
また面白かったのは、相手を信頼する度合いと、信頼度を測る情報の処理能力は別物という点。つまり、信頼しやすい人が騙されやすいわけではなく、情報を把握・処理して信頼度を測る能力が低い人が、騙されやすいとのこと。

本日の1冊: 成功の実現

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成功の実現成功の実現
中村 天風

日本経営合理化協会出版局 1988-09
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東郷平八郎氏や原敬元首相、松下幸之助氏や稲盛和夫氏など影響を受けた人は数知れず。そして1万円という本の価格から、恐る恐る手に取ってみると・・・ちょっとおとぼけた語り口調に、少しがくっとくる。テープに起こされたのをベースに書き下ろしたからなのだろう。

肝心の内容は、”心の置き方で、考え方で人生が変わる”ことを伝える。ありきたりな内容であるが、不思議と1つ1つの言葉がスゥーと体に染み渡る。呼吸を整える、良いことも悪いこともプレゼントと捉える、事象について必要以上にネガティブな思考をしないなどを、冒頭の通りどこかおどけた語り口調で諭す。

自分自身、動じたり悩んだりすることは少ないと思っていたが、それでもこの本を読むと心が乱れていることに気付かされる。
この国は議員にいくら使うのか―高給優遇、特権多数にして「非常勤」の不思議 (角川SSC新書)この国は議員にいくら使うのか―高給優遇、特権多数にして「非常勤」の不思議 (角川SSC新書)
河村 たかし

角川SSコミュニケーションズ 2008-09-10
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野々村竜太郎・元兵庫県議で注目されている政務活動費をはじめ、議員のお金。本書では、国から地方まで、議員報酬から文書通信交通滞在費、議員年金に議員宿舎など議員と言われる人達の特権を経緯から現状の詳細まで示し、必要性を問う。そして、ボランティア型議員を提唱、実際に費用弁償(議会に出席した日数分、日当を出す)方式を採用した福島県矢祭町議会を紹介する。

驚きは、特権を辞した議員に対する同調圧力と、それに抗した場合の仕打ち。著者は周りから異端児扱いされていたと言うが、運転手付き黒塗り高級車の使用を断ったときに委員長を解任されたという。無駄を排除するという信念は、個人では生半可な覚悟では太刀打ちできない現状に絶望感すら覚える。

ではどうするか、ということで著者はボランティア議員を提言するわけだが、それに対しては疑問。と言うのも、単に議員のお金を排除することで、都知事に立候補した細川・小泉元首相組のように、お金に興味がなく思想がおかしい人ばかりになっても困る。まずはお金が掛かりすぎる選挙の仕組み(インターネットの活用)から始まり、最後は有権者が どれだけ興味を持ち、厳しくウォッチしているかにかかる気がする。
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
門田 隆将

PHP研究所 2012-11-24
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3.11で1F(福島第一原発)で何が起きていたのか。電源喪失した原発に対して、現場に残り必死の冷却やベントなど原子炉をコントロールしようとし続けた、吉田所長・当直長らをはじめ東電の社員、協力会社や消防隊、自衛隊など関係者の活動を記録する。曰く付きの管元首相の来訪、本社との意見齟齬など、現場の対応だけで大変な中、外部に翻弄された様がありありと描画されている。

三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」
ジョビー・ウォリック 黒原 敏行

太田出版 2012-11-22
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2009年12月30日、アフガニスタン東部の町ホーストにあるチャップマン前哨基地で自爆テロが起き、CIA局員七人を含む九人が死亡し、六人が重傷を負う大惨事の真相。

衝撃的な結論から始まり、物語は1年前に遡って進んでいく。なぜ狂信的な考えの持ち主だった人間を、CIAは一度も会ったことがない人間を、いとも簡単に信用してしまったのか。事件の真相に迫る過程もさることながら、ビンラディンが見つからない焦りや、都合の悪い情報をシャットアウトする固定観念など、普遍的な失敗の本質を考察している。
ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書)ハンナ・アーレント - 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者 (中公新書)
矢野 久美子

中央公論新社 2014-03-24
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「人間の条件」などの著作の他、アイヒマン裁判を題材にした話が映画化され、日本でも知名度が上がっているハンナ・アーレント。考えないことの罪を追求した、哲学者・思想家の伝記。

自身もユダヤ人(WWⅡでアメリカへ移住したドイツ人)でありながら、元ナチのアイヒマン裁判について、一役人と評したアーレント。ナチの罪を軽視すると、ユダヤ社会らからは猛烈な批判を浴び、また多くのユダヤ人の友人を失いながらも考え通し、自身の思想を貫く姿は圧巻。人そのものではなく、思考停止し大勢に流される「考えないこと」自体を糾弾する点は、物事の悪を犯人捜しで終始しやすい人間の弱さを認識させられる。
フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。
有川 浩

幻冬舎 2009-08
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いちゃもんのようだが、これは「フリーター、家を買う。」ではなく「元・フリーター、家を買う。」ではないか。

就職してすぐに会社をやめ、その後はアルバイトを転々とするも、母親の病気を契機に奮起し、自分を、家族を取り戻していくとともに、会社でも中心として活躍していくサクセスストーリー。お題の通り家を買うのも(母親の病気のためにという目的だが)その過程の1つであり、メインにはならない。興奮も、意外性も少なかった。