Yuki: 2012年9月 Archives

本日の1冊: 人間失格

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人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))
太宰 治

新潮社 2006-01
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サッカーの日本代表・長谷部氏が推薦していたこともあり、読了。

自意識に苛まれ、世間とうまくやっていけず酒と女に溺れる主人公。どう見ても怠惰な人格そのものだが、どこか憎めず。客観的に書かれているのだが、気がつけば主人公に感情移入している。主人公は自分のだらしない部分を抽出・拡大しているのではないか、だとすれば、”人間失格”か否かは、実は紙一重なのかもしれない。
英語を学ぶのは40歳からがいい 3つの習慣で力がつく驚異の勉強法 (幻冬舎新書)英語を学ぶのは40歳からがいい 3つの習慣で力がつく驚異の勉強法 (幻冬舎新書)
菊間 ひろみ

幻冬舎 2011-07-28
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3つの習慣、即ち音読・多読・最低限の表現を覚える(巻末に44の英語表現を掲載)は至極まっとうだが、全体の本書の魅力は種々のTips。リエゾンや発音のルール(例えばget up は「ゲラップ」、単語の最後の[d]は発音しないなど)、未来を表す3種類の表現(be doing / be going to do / will do)の使い分けなど、学校で習わないが有益・必要な情報が満載。勉強の仕方でも、TOEICの問題は解かない(とは言っても、社会ではTOEICの点数が求められるのも事実。ここは何を主眼におくかだが、ある程度の点数取るまでは、TOEICも勉強すべきと考えるが)など、考えさせられる。

載っている英語表現も初歩的なモノが多く、比較的読みやすい。タイトルから40歳以上のみをターゲットにしてはもったいない。
禅、シンプル生活のすすめ (知的生きかた文庫)禅、シンプル生活のすすめ (知的生きかた文庫)
枡野 俊明

三笠書房 2009-06-19
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禅僧であり、庭園デザイナーであり、大学教授であり、ニューズウィークで"世界が尊敬する日本人100人"に選出された著者。悩みや苦しみを消し去る、 禅の考え方や教えが、100つ、掲載している。その中には『62 三毒(貪・瞋・癡)を捨てる』といった有名な仏教の教えから、『60 「禅の庭」を楽しむ』『86 物事を「善悪」で分けない』といった著者の主張の濃い(と思われる)ものまで種々あり、誰が読んでも必ず心が洗われる教えがいくつかはあるだろう。禅の教えを(タイトルの通り)シンプルに説いていて、時々読み返すことで心の平安をもたらしてくれたり、エネルギーをもらえる、 常に手元に置いておきたい1冊。

ところで、「禅」と言えばApple スティーブ・ジョブズなどにも影響を与えたことは有名だが、同じくAppleに勤めたことがあり、禅の心を取り入れた”シンプル・プレゼン”のガー・レイノルズは、Simplistic と Simplicity の違いを強調していた(C.f. 過去セミナー)。『15 部屋をシンプルに整える』に書いてある”「簡素」と「質素」の違い”を見て、あぁ、このことを言っていたんだと納得。ただ、言わんとすることは理解できるが、「簡素」=無駄をそぎ落とす、「質素」=価値が低い という定義はいまいちと感じる。ここは、英訳したSimplistic と Simplicity の方が、納得感があった。
口下手な人のためのスピーチ術 (ベスト新書)口下手な人のためのスピーチ術 (ベスト新書)
生島 ヒロシ

ベストセラーズ 2012-01-26
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その名の通り、スピーチの構成やコツ、あがり対策などのテクニック集(+文例集)。 スピーチを生業とする生島ヒロシ氏によるだけあり、なるほどというTipsや、氏のスピーチに対する考え方にはプロの精神を思いしらされる。反面、本書自体は構成がよくわからず、読んでいて混乱させられた。

基本的に数ページごとの単元で1つのストーリー(講座)、それらをいくつか束ねて章立てしているのだが、まずはそのストーリー。タイトルは「講座」なのだが、単に氏の過去エピソードを紹介するだけと感じるところも多い。そして章も、構成がよくわからない。特に第4章、ここは「とっさのときほど出る[イレギュラー・スピーチ]のテクニック」とあるのだが、内容は最初こそトラブル時のとっさの一言を書いているも、後はお見舞いは定年退職や異動の挨拶、社葬・団体葬、、、など、どう考えても事前に準備していくことばかり。
2010年6の月、500万人が夜逃げする2010年6の月、500万人が夜逃げする
水澤 潤

講談社 2010-04-29
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2010年6月、貸金業法が成立した。いわゆる総量規制、年収の3分の1以上の借り入れがそれまでの実績にかかわらず出来なくなった。身近で、こがきっかけで自殺した人がいただけに、立法の背景を知ろうと手に取ったのだが、そのあまりのお粗末さに愕然とする。これは関係者も語っているが(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33356)、見直し前提で作成されたものが、その見直しされずに施行されてしまった、欠陥法だった。本書でも明らかになるが、制度の検討会では多重債務者、弁護士、貸金業者や有識者、債務者などなど参加するも、圧倒的多数の利用者は一切参加していない。誰のための、何のための法律だったのか。

本書ではそうした矛盾点をつきつつ、簡単な計算で破たんの臨界点を算出する方法を示す。簡易な文面で書かれているので、消費者金融の世話にはならない人も、ちょっとした知識として読んで損はない。難点を挙げると、著者の主義主張を通すために、実例が情緒操作をされている感が否めない。

Web Service: Cloudfogger

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DropBox が登場して以来、ファイルのバックアップや複数端末間、あるいは他者との共有は格段に楽になった。反面、そこに大量にデータを登録すればするほどリスクが増すのが、漏洩問題。もし仕事の機密情報や個人情報、プライベートの恥ずかしいファイル (?) が流出したら・・・

そこで利用したいのが、目下注目している「Cloudfogger」。

PC、Mac, Androidに対応している(iOSは近日対応とのこと)。PC、Macの場合はソフトウェアをインストールし、ファイルやフォルダを右クリックで暗号化(AES)が行える。もちろん、DropBoxにあるファイルも暗号化可能である(ここが今回の最大のポイント)。
そして暗号解除だが、作成したアカウントで1度サインインすれば、サインアウト(PCのログオフなども含む)するまで、自動で行われるので、通常は特に意識することなく、普通のファイルと同様に使用できる。また、共有はアカウント(メールアドレス)を指定して行うので、パスワードはそれぞれのものを使える。だから、共有者が増える毎にパスワードを増やす・・・などの心配も不要。

DropBox以外にもGoogle DriveやOutlookなどにも対応している。まだ英語のみだが、DropBoxやEvernote同様、日本語化されれば日本でも一気にブレイクするのでは、と予想している。
練習しないで、字がうまくなる! 15分でガラリと変わる上達法練習しないで、字がうまくなる! 15分でガラリと変わる上達法
阿久津直記

サンマーク出版 2011-12-16
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字がうまくなるには、ひたすらきれいな文字を写筆する・・・そんな常識をばっさり切り捨てる。15分で・・・というサブタイトルからうさんくさくも感じていたが、その内容は至極まっとうだった。
メリハリの付け方といった字そのもの以外に、”油性ボールペンではきれいな字が書けない”、”筆ペンは下手さが強調される”、”字の大きさにあったペン先を選ぶ”、”デスクマットを使う”など道具に対するポイントが、図を用いてその根拠を具体的に解説している。むやみな練習よりは、まずは科学的なアプローチもあり、そう思わせられる1冊(まだ試していないので、効果は実感できていない・・・)。
戦略「脳」を鍛える戦略「脳」を鍛える
御立 尚資

東洋経済新報社 2003-11-14
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戦略論やフレームワークを学んだ次に、ではそれをどうやって活かすか、実現するかという点にフォーカスしている。他人とは違う戦略をひらめきに頼らずどうひねり出すか、本書はそのための頭の使い方を説き、事例やケーススタディで鍛えさせらる。

特に、ロジカルというと左脳を使う点ばかり強調されるが、本書ではスピードを上げるために右脳を使う、左脳と右脳のキャッチボールを行うと主張しており、非常に斬新だった。具体的には、事象を抽象化してパターンとして認識し、脳へたくさんパターンをストックすることが重要であるとのこと。
生還―山岳遭難からの救出生還―山岳遭難からの救出
羽根田 治

山と溪谷社 2000-10
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不運・不注意から遭難した7件の事例を、生還した当事者のヒアリングから、その体験を再現したルポ。本書は安易に結論づけようとせず、あくまでも遭難現場の再現に主を置いているので、山登りをしない人にとっても読み物として興味深い。また、生還と言ってもその内容は過酷を極め、非常に読み手を惹きつける内容だった(中には、蛆が瞼の中に入る、など身もよだつような話も)。

7件は事情も人も山も千差万別なのだが、どれも、遭難したのも助かったのも、他愛もないきっかけや運がほとんど。ちょっとした油断、勘違い、焦りから遭難するが、たまたま(カロリーの高い)マヨネーズを持っていた、その時だけ行程を家族に知らせていた、など。こう書くと身も蓋もなさそうだが、そうした些細な行動から、山で遭難しない、もし遭難しても助かるためのヒントが多い。毎年、遭難のニュースは出ているが、本書の中の記述、例え誰と一緒でも山を登る以上、自分の身は自分で守る意識が必要と言う言葉は思い。

本日の1冊: 世界の島々

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世界の島々世界の島々
文章:石橋 亞由子

パイインターナショナル 2011-07-10
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オアフ島に始まり、イースター島やボラボラ島、ガラパゴスに、、、世界各地の島々99景の写真(少しばかしの島の解説付き)。海に砂浜、空からの全景など、どれも、こればかしは残念ながら、稚拙な文章ではいかんとも表現しようがない。。。ため息の出るような写真ばかりとしか、表現しようがない。
最強国家ニッポンの設計図最強国家ニッポンの設計図
大前 研一

小学館 2009-05-29
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年金、経済、エネルギー、領土・・・ニッポンのありとあらゆる問題について、大前氏の歯切れの良い口調で断言していく様は、気持ちいい反面、人によっては反感を覚えるだろう(事実、amazonの書評でも意見がはっきり分かれている)。

しかしながら、大前氏の最近の書は(アリストテレスでいうところの)ロゴスよりもパトスが強く出ているのが気になる。あるいは、人は論理では動かないと感じて敢えて発破をかける口調になっているのか。2009年の民主党への政権交代も、この時点で何も変わらないと切り捨てている辺りからも、低落する日本に対して一種の嘆きを感じているのではないだろうか。

論理的な根拠が記載されているところも適度にあり、そこは今の日本の問題点をシンプルに述べている。例えば景気対策のために安易に公共事業を連発するが、そもそもニューディール政策で行われたのがケインズ経済学の「有効需要の創出」という方法だが、これは「閉鎖経済における質量保存の法則」を前提にしているとのこと(P.303)。すなわち、グローバル化している今日では、いくら有効需要を創出しても、雇用が国内で発生して循環するわけではない、と痛いところを(しかし本質を)ついている。

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