Yuki: 2012年6月 Archives

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
長谷部誠

幻冬舎 2011-03-17
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サッカー日本代表キャプテン、長谷部誠の著書。文面からもひしひしとそのまじめなキャラが伝わってくる。サブタイトルの通り、56の習慣として、サッカーだけでなく生活習慣や読む本・音楽、仲間との関係などに対する考えを紹介。整理整頓からし合いの時には到着時刻から逆算してミスチルをかけ初め、気分を高揚する・・・などなど、とてもそこまではまねできないというものもあるが、内容自体は非常にわかりやすく、ストレートなので、56もあれば誰にでも心刺さるのがいくつかはあるだろう。個人的に気になったのを以下に記す。

#05 マイナス発言は自分を後退させる。
 ”愚痴や負の言葉は現状を捉える力を鈍らせてしまい、自分で自分の心を乱してしまう。”という点、非常に共感。自分ではストレス発散も兼ねているのだろうが、何1つ解決しないことを、聞かされる人に対してどれだけ害を与えているか、気付かない人は気付かない。

#45 楽な方に流されると、誰かが傷つく
#46 変化に対応する
#47 迷ったときこそ、難しい道を選ぶ
 人生において、重大な選択を決断するときがいくつかある。そうしたときに、悩み迷い、安易に易しい方へ逃れて言い訳することもあるかもしれない。決断後も正しい決断だったのか後悔したり、心が折れそうになることがあるかもしれない。そんなときにここを読めば、勇気を与えてくれ、自信をよみがえらせてくれる。
「規制」を変えれば電気も足りる (小学館101新書)「規制」を変えれば電気も足りる (小学館101新書)
原 英史

小学館 2011-08-01
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「実は”余っている電力”はたくさんある。でもそれを国民は買えない・・・。」との触れ込みやタイトルから、電力問題に対する提言と思ったのだが。中身はサブタイトル『日本をダメにする役所の「バカなルール」総覧』の方だった。見事に、タイトルでだまされた1人である。

肝心の中身は、”なぜ学校の階段には必ず「踊り場」があるのか?(第1章)”、”理髪店がどこも「月曜定休」の理由(第3章)”、”なぜケイン・コスギはピンチの後にリポビタンDを飲むのか?”など、豆知識的な内容が種々、法規制の内容や背景と共に解説されている。不自然と思いつつ、あるいは何も感じずに過ごす中にも、無駄な規制、既得権益を守るための規制などいろいろあることがわかる。
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
安宅和人

英治出版 2010-11-24
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間に科学者として学問の道を挟みコンサル業・事業会社と経験した著者による、問題解決本。知的生産とうたうが、中身は正真正銘のコンサル技法、そこにちょっと科学者としての知識をトッピングしたような本。

解のない問題に対処するには仮説思考が求められるが、本書ではその一歩手前、答えるべき解(イシュー)を定めるところから始まる。解のない問題や間違った解に対する労働は、犬の道と一蹴する。その上で、(ことばにこそあまり出さないが)ゼロベースやフレームワーク的な内容で解を求めていき、まとめてアウトプット(発表、レポート、報告など)までを、非常にわかりやすく解説する。

繰り返し読み返し、活用したい1冊。
つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方
ウィリアム・パワーズ 有賀 裕子

プレジデント社 2012-01-27
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インターネットの普及以来、メールにWebに、昨今ではSNSと、四六時中ネットに繋がっている生活が当たり前となった。むしろ、繋がっていないことで不安すら覚えてしまう人も多い。著者もそんな1人で、あえてネットに繋がらずに心の平安を取り戻そう、、、という趣旨なのだが、ただアンチ・ネットではないのがこの本の示唆に含んだところ。

かつて、グーテンベルクが印刷を発明して15年後。娯楽のために価値のないものが書かれたり、内容を歪めたり改悪したりされるから、偽りの書を1000部も世の中にばらまくよりは、本などないほうがましではないか(P.189)との批判が出ているとのこと。まさしく、ネット社会で情報の氾濫とか、玉石混合などと批判されている同じ事が、繰り返されている。所詮、印刷もネットも道具でしか無く、どう使うかの問題なのだが、技術革新はいつの時代も反感を生むという点で興味深い。

また、都市化が進み人口が増え出した時代、アリストテレスやセネカなどが如何に心の平安と社会の調和を試み、何が成功して失敗したか、本質的な問いは現代社会にも十分通用すると理解できる。

肝心のネットとのつきあい方、は人それぞれ千差万別だと思うが、歴史的な側面で、考えさせられた1冊。