科学: 2011年8月 Archives

図解・感覚器の進化 (ブルーバックス)
図解・感覚器の進化 (ブルーバックス)岩堀 修明

講談社 2011-01-21
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珍しい、感覚器全般の専門書。人間だけでなく蚊やミミズ、魚に鯨、モグラ・・・様々な動物から、さらに時代の流れによる進化、及び退化まで、感覚器を考察する。”進化の逆戻りはない”ことから、1度陸に上がってからまた海に戻った鯨やいるかはどう進化したか、ミミズはどう感じるか、コウモリが暗いところでも飛ぶ仕組み、などなど、これほどまで感覚器を網羅的に扱った本は希であり、興味深い。

残念なのは(本書の内容ではなく)、いくら知識として得ても、それら動物がどう探知しているかまでの理解で、どのように感じているかは決して理解できないこと。これは欲張りすぎだろうか。。。
かぜの科学―もっとも身近な病の生態
かぜの科学―もっとも身近な病の生態ジェニファー アッカーマン Jennifer Ackerman

早川書房 2011-02
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もっとも身近な病、「風邪」。種々の研究はされど、未だ予防と完治の特効薬がない「風邪」。本書は、その風邪に対する様々な実験(中には、風邪の人のウィルスを鼻に塗りたくるなど考えるだけでおぞましい物まで!しかし、それらの被験者は後に良い思い出どころか、人生の友人・伴侶をそこで得ていたりするというからわからないものだ)や研究の歴史を通じて、風邪に対する理解を深める。

空気感染ではなく(インフルエンザは空気感染)接触感染、それも汚染された手で顔を触ることで伝染する、サプリメントやビタミンCは効果がない、など、なかなか興味深く、知らなかった、自分の誤った知識に気付かされることもいくつか出てくる。但し、後者については偽薬でも信じることで効いてしまうプラシーボ(ラテン語で「私は喜ぶだろう」という意味 P.199)効果もあり、難しいところ。

科学の本だが、愛情の類を否定するどころかその効能も認め、最後にはお母さんの風邪の食事レシピなども掲載しているのが、読む人を和ませる。

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