歴史: 2013年7月 Archives

クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国  (集英社文庫)クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)
若桑 みどり

集英社 2008-03-19
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ライフネット生命の元社長・出口氏の書評より、読んでみる。

時は16世紀、西洋と日本が初めて交わった歴史的に重要な時代だが、知識が日本側からの一方的な見方と、西欧の中の歴史に分断されていたので、両極面から描く本書は新鮮だった。特に、世界の覇者となった西欧側が日本人への宣教のために訪れるも、数々の苦労や努力をする様は新たな歴史的認識を得る。即ち日本文化への適応、経済的枯渇から貿易に勤しむ内情、西欧内の対抗意識(ポルトガル・スペイン)など。

また、なぜ日本人にキリスト教が受け入れられていたかという点で、仏教との比較で対する利点と共通点を挙げている。利点としては、仏教は悪事が来世も続くのに対し、キリスト教は懺悔で救われることを、共通点として聖書の句の朗読は読経、大勢の読経は合唱、説教は同じ、ミサと茶道や袱紗の使い方などなど数多いことを挙げる(P.252)。

ボリュームあり難読な点もあるが、日本史・世界史という括りだけでは決して分からない、当時の世界観を明示してくれる。

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