自己啓発: 2014年4月 Archives

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
岸見 一郎 古賀 史健

ダイヤモンド社 2013-12-13
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アドラーの思想を青年と哲人の対話という物語形式で解説する。簡易な言葉で書かれており、かつ今でも(今でこそ?)通用するアドラーの考え方は、衝撃的でもある。ベストセラーとなるのも納得

”嫌われる勇気”とは他人の問題を抱え込まず、自分の問題に集中するかということ。上司、教師、親、パートナーがどう思うか、何をしてくれない、何をする、といった不満は全て他人の問題であり、切り離すことで自由になるという考え方は、一見自己中心的と思われるが、アドラーに言わせると逆なのだ。他人に対しては承認要求ではなく、アドラー思想で共同体感覚という貢献の重要性を説く。

万人向けにするが故、軽い感じもするし、単なる自己啓発本の1つと捉えられそうだが、アドラー心理学の偉大さは変わらない。もしアドラーの思想を知らなかったら、とっかかりとしてぜひ読みたい1冊。
習慣の力 The Power of Habit習慣の力 The Power of Habit
チャールズ・デュヒッグ 渡会 圭子

講談社 2013-04-26
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人は自分で考え決断しているようでも、ほとんどは習慣で決まっているという。逆に言えば、悪い習慣を良い習慣に変えて行くことが重要であり、その仕組みを解説する。

その仕組みとは、習慣は”きっかけ”→”ルーチン”→”報酬”というループがあり、変えられるのはルーチンだけということ。例えば職場でとる間食を止めようとした時、まずはどんなとき(きっかけ)、なに(報酬)を求めるかを考え抜く。例では、疲れる前の決まった時間に(きっかけ)、いきぬき(報酬)できるよう同僚との会話する時間を設けて間食を止められたという(毎日定時に話しかけられる同僚はどうなんだ・・・ってのは突っ込んではいけないのだろうか)。

後半では、データを分析して本人の好みのクーポンを案内をする研究が紹介される。本人が気付く前に妊娠していることを把握するのは気持ち悪い、と思ったら、そこは抜かりない。実際に売りたい(売れる)商品のクーポン以外に、全く関係ないクーポンを混ぜたりするというのはさすが。

偶然消臭剤ができたので、当初はにおい消しとして出す物の全然売れず。”習慣”に狙いをつけ、掃除後に香りつけるためにスプレーするもの、としたら爆発的に売れるようになったというファブリーズの話から、野菜売り場が右回りの理由(10年以上前にスーパーで働いていた時、なぜ野菜売り場から始まって右回りの導線に売り場を作るのか疑問だったことが、やっと理解できた)、大きなイベントの時に習慣が変わるのでメーカーは出産時に父親にも贈り物をする(p266。自身、子供が生まれたとき病院からプレゼントされるものの中に、ミルクなど赤ちゃん用品の他にジレットの髭剃りが入っていた理由を理解)など身近なこと(の裏にある狙い)がいろいろわかって面白い。