自己啓発: 2013年11月 Archives

ストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワークストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク
グロービス経営大学院 荒木博行

ダイヤモンド社 2013-09-21
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フレームワークを紹介する本は数多もあれど、それらをいくら読んでも実際に使えるようになるには非常に大きな壁がある。本書では、グロービズの授業であった実例を基に考え方を、なぜ多くの人がフレームワークを使いこなせないかを示す。

知るだけでは不十分で、いかに考え、自分の血肉とするかを考えさせられる。3Cや5フォース、PDCAなど基本的な10のフレームワークの説明はあるのだが、著者に言わせると、そこから自らのフレームワークを作れるようになるのが重要と説く。

考えさせられたのが、ビジネスマンなら誰でも知っているだろうPDCAに2種類の適用方法があるということ。即ち、

今までCheck/Actは重要だと認識つつも、Planも当然ながら重要という認識でいた。しかし、ターゲットによってはPlanで考えすぎても前に進まないこともある。本書では、Planに重点おくべきパターンとそこそこで走るべきパターンを説明している。

パンダをいくらで買いますか? ストーリーで学ぶファイナンスの基礎知識パンダをいくらで買いますか? ストーリーで学ぶファイナンスの基礎知識
野口真人

日経BP社 2013-08-22
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タイトルでつる本は正直好きではないのだが、本書は非常にうまいと感じた。

当然ながらパンダをいくらで買うかは、本書では枝葉末節なのだが、冒頭にあるパンダ関連の話にファイナンスのエッセンスが凝縮されている。本編とも言うべきその後はパンダの話は出てこず、ファイナンスを易しく解説していくのだが、冒頭のパンダの話があり、違和感なく入ってくる。

あくまでもファイナンスとは何か、その考え方(のさわり部分)を解説する本なのだが、これがまた分かりやすく、面白い。気付けば、読み手もパンダのことなんか忘れてファイナンスとは何かを探求するだろう。これだけ濃い(でも容易に読めるよう簡略化されている)本なら、タイトルでつるのも、ありと思えた。
世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業
狩野 みき

日本実業出版社 2013-06-22
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本書では、「考える」ことについて6つのレッスン形式、即ち以下の内容で深掘りする。
1 「自分の意見」の作り方―なぜ、私たちは「想定外」に弱いのか
2 理解を深める―「事実らしきもの」を前に考えをとめない
3 視点を増やして発想を広げる
4 未来のシナリオで現実的な選択肢を手に入れる
5 上手に「意見を交換する」ために欧米人が持っているルール
6(目次ではLast Lesson) 「?」に気づくことが「考え」のはじまり

どのレッスンも、子供のディスカッション風景、そこからの気づき、そして考える力を得るためのステップやTipsをレクチャーしている。

”フレームワーク”など小難しい言葉は一切使用せず、チェックシートや手順で、また”5歳児に説明できるか”、”英語で考えてみる(注:訳することで、言葉の曖昧さなどの穴が見えるとのこと)"、などわかりやすい示唆を多分に含んでおり、気軽に実践できる。

一方、世界のエリートと比較する対象が一般日本人となっているようで違和感がある。欧米と日本の教育の違いを主にすべき、つまりハーバードを引き合いに出すなら東大と比較した上で日本のエリートと欧米のエリートの違いを論ずるべきだし、一般の日本人と欧米人で比較するならハーバードを連呼しなくても、と感じた。