教養: 2010年10月 Archives
武士道 (岩波文庫) | |
新渡戸 稲造 矢内原 忠雄 岩波書店 1984-10 売り上げランキング : 2608 おすすめ平均 現代社会に生きるすべての人に、必読の書!(笑) 山岡鉄舟こそが武士道の体現者です! 青年へ推薦する書の一つ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
急速に近代化を図る明治時代の日本において、忘れ去られようとする武士道の本質を世界に知らしめた1冊(原著は英文)。義、勇、仁、礼、誠から教育・刀・切腹まで、士が目指した純粋なるその心は、非常にシンプルでありながら、奥が深い。その心は現代にも通ずるものがある。
本筋ではないが、残念なのが今時珍しい字の小ささ。なかなか、読みにくく目が疲れる。
日本人へ リーダー篇 (文春新書) | |
塩野 七生 文藝春秋 2010-05-19 売り上げランキング : 1574 おすすめ平均 本にする理由は? 「カッサンドラ」の予言にならなけば良いと思うが... 少し古いですが Amazonで詳しく見る by G-Tools |
文藝春秋の連載が書籍化。必ずしも1冊の本としてストーリー・結論があるわけではないので、そうしたものを想像して読むと予想外である。
個々のストーリーは、塩野 七生 だけあり古代ローマの事例が多分に紹介されているのだが、まさに日本では、身近なことでは、自分のことでは、とはっとさせられる事が多い。
500年続いた古代ローマの滅亡について、弱体化し始めた3世紀頃からの記述。
人を代えようと、(中略)やらねばならないことはもはやはっきりしている。(P.39)
このフレーズだけを読めば、現代日本のことかと錯覚する。なぜか、機器の時代は、指導者が頻繁に替わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない。(P.40)
人間にも年齢があるのに似て、組織にも、そして国家にも年齢があるのだと。(P.48)
自己反省は、絶対に一人で成されねばならない。決断を下すのも孤独だが、反省もまた孤独な行為なのである。(P.109)
こうしたメッセージが歴史を題材に発せられているだけに、烈につきささる。
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