教養: 2009年11月 Archives

 

感染症の時代―エイズ、O157、結核から麻薬まで (講談社現代新書) 感染症の時代―エイズ、O157、結核から麻薬まで (講談社現代新書)

講談社 2000-10
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人間とウィルス・細菌の歴史から、現代の食中毒・ウィルス・細菌問題、ワクチンの問題、ウィルスの進化の過程は仮説を踏まえて紹介。スーパー・ドラッグストアでさえ”ウィルスを除菌(殺菌)”などとウィルス・細菌を混同される事が多い世の中、目に見えないものに対する誤解や過剰な恐怖を抱きがちである。そんな中、本書は対策も踏まえて幅広い知識を学べる。
但し、後半で麻薬に言及している部分は、筆者の思いが強く入りすぎている。特に、大麻を麻薬として扱うことに関しては(少なくとも海外では、国内でも「大麻ヒステリー」のような本が出ている)異論があるわけで、事実と主張が混同すると内容全てに懐疑的にならざるを得ず、この点は非常にもったいないと感じた。Leadership and Self-Deceptionで出てきたゼンメルワイス(Semmelweis)と妊婦の院内感染の話がここでも掲載されており、通常単なる人物の引用は記憶に残りにくいが、少し前に読んだ全く異なる分野の本と同じ事が出てきたため、印象深かった。