フィクション: 2014年10月 Archives

優しい死神の飼い方優しい死神の飼い方
知念 実希人

光文社 2013-11-16
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カテゴリー的にはミステリー推理小説となるのだろうか。今までにないタイプの本だった。クスッとするような呆け、サスペンスにスリルと、娯楽小説としてありとあらゆるエッセンスが織り込まれている。

ストーリーは、現世に未練を残して呪縛霊となる魂を救うべく、犬に乗り移った死に神が末期病棟で飼われることとなるところから始まる。未練が残った末期患者達の夢へ潜り込んで解決していくのだが、世代が違う患者らと病院がある共通点で繋がっていく。やがて病院の大勢が殺されることが判明、死神は自分の世界のルールを無視して彼らを救おうとするのだが。。。

舞台は末期患者の病院、登場する主要人物の大部分が、近い将来の死を運命づけられている。中にはこの人もかと、驚くような人物もいるのだが、不思議と読後感は清々としている。著者は現役のお医者さんというのも含めて、異色な1冊。