フィクション: 2010年6月 Archives
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) | |
湊 かなえ 双葉社 2010-04-08 売り上げランキング : 17 おすすめ平均 普段本を読まない人でも読みやすい つっこみ所満載 デビュー作 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
何も前提知識を持たずに読んだ。その描画は非常に新鮮。舞台は教室のHRで生徒に向かって話しかけている先生。最後に告白した事件、及び復習劇を同級生・加害者・その母と様々な視点で、タイムラインをオーバーラップしながら描画する手法は斬新。読者にあえて感情移入をさせないよう緻密に計算しているのか、キャラクター達が濃く、1人の人物の視点による描画は絶妙な長さである。
映画化により、あらすじも知らずに・・・というのはなかなか難しくなっていようが、ぜひ、そうしたノイズ(情報やメディアではなく、あえて)をシャットアウトして読んでほしい。
黄金の島(下) (講談社文庫) | |
真保 裕一 講談社 2004-05-14 売り上げランキング : 156227 おすすめ平均 もっと特徴を 黄金 後半は海上のアドベンチャー Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1艘の舟で日本を目指すことになったヤクザの主人公と、ベトナムの少年・少女達。ベトナムでの生活だった上巻とはうってかわって、大海原が舞台となる。日本人である主人公に感謝する者、身を預ける者、疑う者、様々な人間模様が繰り広げられつつ、必死に嵐と格闘していき、緊張感を維持したままノンストップでどんでん返しのラストまで読み干した。終わりは、いろいろ意見が分かれようところだが、そこも著者の狙いだろうか。
黄金の島(上) (講談社文庫) | |
真保 裕一 講談社 2004-05-14 売り上げランキング : 381561 おすすめ平均 もっと特徴を 東南アジア独特の熱気と喧噪、混乱がとてもよく伝わってくる ちょっと長い・・・ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
映画化で有名なホワイトアウトの原作者 真保 裕一 著。暴力団の権力抗争から国を追われたヤクザの主人公は、逃げ回るうちに知り合ったシクロ乗りの少年団と関わりを持つことで物語は進展していく。腐敗した社会の中、日本を夢見て身を削る少年達を通して、幸せとは何か考えさせられる。
物語は駆け引き有り、意外な出来事があり、読む者の集中力を切らさない。