本: 2014年12月 Archives

レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理レゴはなぜ世界で愛され続けているのか 最高のブランドを支えるイノベーション7つの真理
デビッド・C・ロバートソン ビル・ブリーン 黒輪 篤嗣

日本経済新聞出版社 2014-05-22
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私自身、80年代にこよなく愛したレゴのストーリー。今でこそレゴショップをアウトレットモールでも見かけ、変わらぬ姿を見せるが、90~2000年代初頭にかけて経営危機に瀕していたことは驚愕。レゴブロックの著作権失効、デジタルの台頭、その時代に出していた方針ブレブレの商品群を見て納得。本書はレゴがどのように誕生して有名になったか、そしてどのように危機を乗り越えたが綿密に記されている。

レゴの本質とは何か?レゴが問い続けた、また一時忘れてしまった重要な要素はまさにこの一言に過ぎる。著作権が切れたことで安い同等製品が氾濫し、子供達はTVゲームなどに夢中でブロックは古い遊びになることで、レゴは迷いが出始める。さらにコストを意識しない開発やレゴランド、ショップの展開などでレゴは2003年頃には瀕死の重体になっていた。

そんな中、想像する喜びやストーリー性の追求、子供が何に興味を持つかという現場主体によるリサーチなどによって、劇的な復活を果たす。副題にもある、7つのイノベーションとは、レゴが復活するために成し遂げてきたことを記している。

本書を読んで、レゴショップを訪れたら、またレゴで遊びたくなった。
侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか (文春新書)
呉 善花

文藝春秋 2014-01-20
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従軍慰安婦に始まり、朴槿恵大統領の「1000年の恨み」のように、なぜ韓国の人々はあそこまで嫌日を通り越して侮日という態度を取るのか。本書は元・韓国人で元々は日本を下に見ていたというだけあり、客観的に本質を洞察している。

事実や論理的な話が通じず、日本や親日家に対して法治国家とは思えない対応をとるのも、日本は中国、つまり世界の中心から韓国よりも離れた野蛮でレベルの低い民族という価値観が韓国人にはあるというところから納得。また、後半では文化や価値観の違い、例えば日本人のマナーとされる、脱いだ靴の向きを変えることや食事中に音を立てずに食べること、また知人同士でも適度な距離感を持つことが、韓国の人々にとっては不快に感じると言うことから、多大な誤解を生んでいることも紹介する。
一方で、第二次大戦中の朝鮮併合時も、当時の状況を知る人々は日本を恨んでおらず好意的に考えているというところなど、日本人として自虐的な歴史ばかりを目にする中でハッとさせられる。

日韓問題を、韓国の嫌日の理由を、客観的に考えてみる機会にしたい。
陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)
さいき まこ

秋田書店 2013-12-16
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ニュース一般では、不正受給などネガティブな扱いが多い生活保護。また、受給者に対しても働かない、怠けているという偏見も少なからずあるのだろう。※私自身は、身近に受給者がおらず、推測の域を出ていないが。本書は、生活保護がちょっとしたきっかけで誰でもなりえること、社会のセーフティネットとして必要なこと、受給者は決して怠け者ではなく、また不正受給など悪事を働く人はほんのごく少数に過ぎないことを漫画で紹介する。

反論が苦手な人の議論トレーニング (ちくま新書)反論が苦手な人の議論トレーニング (ちくま新書)
吉岡 友治

筑摩書房 2014-09-08
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前半は、世界共通で議論に必要な問題→根拠→解決/主張の三段構造を解説する。後半は、二項対立から議論の質を上げる弁証法に重点を置く。最初は音階が異なる世界の音楽に対する2人の意見相違を例に、後半はカントやアーレント、ミヒャエル・エンデなどを出しながら対話(禅の問答の世界に近い印象)が展開される。
男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない
森岡 弘

講談社 2011-05-31
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方程式と言うだけ有り、オン・オフそれぞれで守るべき鉄則を解説する。最後には、シーン別のコーディネートサンプルを写真付きで掲載しており、イメージしやすい。

オンは基本的なルールが載っており、社会に出てそれなりの年数が出ている人間なら知っていることがほとんどだろう。それに対して、難しいのがオフ。若いうちはそれこそTシャツ1枚でも様になるが、中年以降はそれも難しい。かといって下手にポロシャツなど着ても、ゴルフスタイルになりがちだろう。

全体的にわかりやすく、法則ごと(方程式と言うよりは、個々のルールを掲載しているのでこちらの言葉を使わせて頂く)に写真付きで簡潔に解説されておりわかりやすい。一方、オフに限って言えば、チェックやパステルカラーのシャツを紹介しており、実際に着ている写真がないので痛いおじさんをイメージしてしまった。オフに限って言えば、「男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない」の方が万人向けだと感じる。

本日の1冊: 自助論

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自助論自助論

パンローリング株式会社 2013-06-30
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電子書籍専用Version。はっきり言って、この価格(¥270)は非常に魅力的。古典の名著だけに、一家に1冊(一Kindleに1冊?)したい。

ヨーロッパ、特にイギリスで成功した発明家や芸術家、実業家など様々な人々を紹介し、人生の重要な素質は才能や生まれた環境ではなく、努力や忍耐力、集中力といった本人の資質であることを説く。どの時代も自己啓発本はあるが、歴史に裏付けられたストーリーだけに興味深い。

個人的には、日常で使用しているコーヒーカップのブランド、WEDGWOOD ウェッジウッドのストーリーが興味深かった。
戦争を演じた神々たち(全) (ハヤカワ文庫JA)戦争を演じた神々たち(全) (ハヤカワ文庫JA)
大原 まり子

早川書房 2000-02
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SFとはいうが、ファンタジー要素が強い。異なった世界の短編集であるが、どれもイメージ力が働かないと難しい。日本SF大賞というが。。。好みの問題だろうが、正直とっつきにくい。