本: 2014年11月 Archives

ロジカル・セリング ―最強の法人営業 (BEST SOLUTION)ロジカル・セリング ―最強の法人営業 (BEST SOLUTION)
近藤敬 斎藤岳

東洋経済新報社 2010-11-26
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「営業」を語るにあたり、体力・気合い・根性論的なものはさすがにナンセンスだが、ここまでロジカルに書かれた本をみたことがなかった。成約というゴールへ至るまでに超えなければいけない2つの壁「悩みの壁」「人の壁」、具体的には「顧客の根本的な悩みは何か」と「キーパーソンは誰なのか」という情報を探るためのノウハウが、ロジカルに説明されている。

本書で解説されているテクニックを練習するための題材として、実際の商談をベースにした問題も掲載。営業としてのスキルアップはもとより、受注に至るための仮説力と検証力を総動員するプロセスは、応用範囲が広い。
日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)
一ノ瀬 俊也

講談社 2014-01-17
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第二次大戦時、アメリカ陸軍が敵を知るために自軍兵に向けて刊行した広報誌IB(Intelligence Bulletin)を基に、日本軍とは、日本兵とは何かを探求する。 万歳突撃やロジスティクスを軽視した戦略(と呼ぶかはさておき)の稚拙さを分析した書物は、「失敗の本質」を始め枚挙に暇がない。一方、戦術や兵士そのものに迫ったものは少ない中、本書はその貴重な1冊、特に敵側からの分析は興味深い。

IBの初期は日本人とはどういう人種か、同盟国である中国人との見極め方として日本人がLとRの発音が区別できないことを紹介したり、あるいは偏見のかたまりの内容まで、笑える。しかし、時を重ねて戦争も佳境になると、日本兵の戦術や傾向、人間性、弱点など緻密に評価しているのが良くわかる。

硫黄島など末期の戦闘は物資に困窮した悲壮感ばかりの状態を想像していたが、意外にも衣服や食料に潤沢だったという。また、修練は得意なので同じ戦法を繰り返し行う事が多いが、予想外の事態に弱いなど、現代の経済でも言われていることが書かれていたりして、興味深い。
ヤノマミ (新潮文庫)ヤノマミ (新潮文庫)
国分 拓

新潮社 2013-10-28
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南米アマゾンの原生林に原初の暮らしを残すヤマノミ、彼らの元で4回計150日間に渡って暮らして記録したルポタージュ。初期は言葉もまともに通じない人間、彼らに馴染むために必要最低限の人数(著者、カメラマン、彼らの数人が多少理解するポルトガル語の通訳者)での住み込み、慣れないアマゾンの環境、病気や時には死の危険すらあり得る環境下での取材は、並ならぬ覚悟で行ったと推察する。

原初の暮らしとは言え同じ人間、怒りや笑い、悲しみといった感情は持ち合わせていることに、なぜかホッとする。著者も、暮らしはじめこそは時間を気にしていたが、やがて都会の感覚とは異なるゆったりとした時間感覚に気付いて自然の流れに任せるようになったという。しかし、彼らを知るに連れ、独特の死生観、恐ろしさを知るようになる。

夫婦の形はとるが、比較的自由な性。しかしながら現実問題として、家族が居なければ、また居たとしても夫の力量(狩りのスキル)で養える家族の数が決まる。また、障害児が生きていくのは厳しい世界において、時に母は生まれた子供を天に帰すと言う---生まれてすぐに、生かすか殺めるかを決断する。

近年はブラジルが医療や教育を提供する。医療技術の存在を知り、祈祷を施していた長老の権威お低下。お金の存在を知り、また食や生活環境の激変で太る者も出るなど、急速に独自の文化は失われているよう。文明と出会うことで、彼らは何を得、何を失うのだろう。
MAKERS―21世紀の産業革命が始まるMAKERS―21世紀の産業革命が始まる
クリス・アンダーソン 関美和

NHK出版 2012-10-23
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フリーミアムの概念を示した「フリー」や(読んでいないが)「ロングテール」でその優れた先見性を示したクリス・アンダーソンが、3Dプリンターなどの登場によるこれからの時代を描く。

フリーミアムも、今でこそ当たり前だが当時は半信半疑だった。と同様に、昨今、賑わいを見せている3Dプリンターも今までは新たなおもちゃ(ガジェット)程度の認識でいたのだが、本書を読んでその意味を理解した。今までは大量生産によりコストが低減されるのに対し、今後は1個作るのも100個作るのもコストに差異が少なくなるため、多種多様なものができる。単に技術の変化だけでなく、それに伴う近未来に起こる(あるいは既に起きている)社会の変革を指し示す。
夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神
水野敬也

飛鳥新社 2012-12-12
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タイトルの通り「夢をかなえるゾウ」の続編となる本書。相変わらずの神ガネーシャに、今回は貧乏神や釈迦などが今回の主人公、売れない芸人に絡むのだが・・・。

今回は前回と比べて、自己啓発というよりもストーリー性が強くなった印象。基本は前作と今回はそれぞれ独立した話なのだが、同じガネーシャを中心としたストーリーであり、前回の主人公がさりげなくちらっと登場したりするので、時間があれば続けて読んだ方が面白い。