本: 2012年11月 Archives

本日の1冊: 特殊清掃

| | Comments (0) | TrackBacks (0)
特殊清掃特殊清掃
特掃隊長

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-04-14
売り上げランキング : 71619

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

特殊清掃と呼ばれる、遺体処理を始めゴミ処分・清掃を行う著者のブログを書籍化。その職に深い思いもないが、プロとしてやることはやる、20年死体を見てきた人ならではの死と生に対する思い、日々の生活などなど。現場の描写もそれほどグロテスクではなく(人にもよりそうなので、あまり強くは言えないが・・・)、あまり重くならずに死について考えてみる、事故・事件の際の遺体はどういう人達が処理するのかなど多くの人は知らない世界を知れる1冊。

本日の1冊: 観察眼

| | Comments (0) | TrackBacks (0)
観察眼 (角川oneテーマ21)観察眼 (角川oneテーマ21)
遠藤 保仁 今野 泰幸

角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-01-10
売り上げランキング : 14394

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

三部構成となっており、最初に今野の観察眼、最後に遠藤の観察眼とあり、間に2人の観察眼として対談が挿入されている。

見事に性格が異なる2人だが、リバーシブルのように、読んでいて違った楽しみ方ができる。今野は自分の臆病さや素直さを臆せずにオープンにし、一見頼りないところに、人間くささや面白味が感じられる。一方、遠藤はサッカーのプレー、観客、クラブ、そして日本のサッカーの未来に至るまで、節々に深い考察や思いを感じられる。(代表)試合の鑑賞が、選手の思いや裏側、戦術など理解することで、より楽しめるようになりそう。
「常識」としての保守主義 (新潮新書)「常識」としての保守主義 (新潮新書)
櫻田 淳

新潮社 2012-01-17
売り上げランキング : 76264

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

「保守主義」とは何か。政治のニュースでは数多く目にする言葉だが、意外にも答えにくいのではないだろうか。本書は自民党の機関誌に連載されていた内容だが、「保守主義」とは何かを非常に分かりやすく解説されている。

そもそも保守主義とは、エドマンド・バークという英国の政治家がフランス革命を前にして著した「フランス革命の省察」に端を発するという。旧いものを守る思想と理解していたが、そうではないと一蹴される。右翼やタカ派ともイコールではない。もちろん、左翼とも相容れない。特定の国や人種を排除する姿勢、ナショナリズムとも違う。伝統を尊びつつ、柔軟かつ大胆に新しいものを取り入れ、中庸を美徳とする。

後半ではレーガン、吉田栄作、ドゴール、チャーチルなど偉人達を紹介すると共に、保守主義の拠り所は歴史により違うこと、しかしながら、その中でも保守主義の普遍的な本質に迫る。こうしてみると、今の日本の保守主義の政治家は、保守主義で無い方も見受けられてくる。

興味深かったのが、「草食系男子の脆さ(P.60)」で、草食系男子の出現を国家の衰退の兆しとした高坂正堯(まさたか)著「文明が衰亡するとき」に出てくるヴェネチアの歴史を紹介している。即ち、人々がリスクを取って何事かをなそうとする精神が減退することで、国自体も衰亡する。正に今の日本を示しているようだ。
加齢臭読本 いくつになっても、におわない人の習慣加齢臭読本 いくつになっても、におわない人の習慣
奈良 巧

草思社 2012-04-14
売り上げランキング : 35896

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

”加齢臭とは何か?”から始まる臭いの基礎知識、石けんと洗い方・保湿とワキガ対処・食事習慣・洗剤と洗濯法の4つの構成で対処法、そして最後に他の人の臭いに対する対処で構成される。特に、石けんと洗い方に本書の大部分が割かれており、様々な商品を、実際にメーカーの人へのインタビューと共に紹介している。”いいにおい”だとか、”柔らかな泡が立つ”など、臭いの有無に関係なく使ってみたくなるものも多い。資生堂の売り場にいるビューティカウンセラー(女性)への肌診断依頼など、体当たり的なリポートも好感を持てる。

但し、本書の構成や、種々結論づけるところは、論理的でない。例えば、巣鴨の薬局では加齢臭に対処する石けんがなく、今までも問い合わせないという事実から、巣鴨にくる高齢者は女性が多い(事実か著者の推測か不明)、そして他者とのコミュニケーションのない人は加齢臭に悩まない(P.212)と結論づけているが、これは明らかに論理の飛躍である。
ザ・ライト・スタッフ―七人の宇宙飛行士 (中公文庫)
トム・ウルフ 中野圭二

中央公論社 1983-11
売り上げランキング : 148737

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
アメリカ最初の宇宙飛行士が誕生する様子を、主にパイロットの側面に焦点を当てながら、時代の側面も織り交ぜながら記したルポ小説。時代は1960年代、ソ連が次々に有人飛行を成功させる中、アメリカは失敗続きでその威信は大いに失墜していた。信用回復を賭け、またソ連に宇宙を征される危機感から、NASAは有人飛行を目指し、本書はその最初の宇宙飛行士に選ばれた7人にスポットをあてる。

優秀なテストパイロットから選定されるが、先に宇宙に飛んだ犬や猿からも分かるとおり、ほとんど自動化されているためパイロットである必要がない。しかしマスコミや世間の眺望、いざ宇宙に飛び立ちアメリカに戻ればヒーローとしての栄光、いろいろ翻弄される様を、見事に描写している。そして、イエーガーのテストパイロット中の事故で話は終わるのだが、宇宙飛行士が特別な存在でなくなると、昔のテストパイロットの価値や音速を超えた偉業も風化していく様子が、哀愁を感じさせられる。
パイロット達の苦悩や生活(表も裏も)、価値観など細かく描画されている。興味深かったのが、宇宙ロケットを自分で操縦したいと思うパイロットと、コンピュータ制御にまかせたい技術者の意識の差。この辺が、宇宙へ行くのには本来不要な翼を、スペースシャトルで設けることとなったのか、などと空想に耽ってみるのも面白い。


本筋とは関係ないが、1983年初版の本書、とにかく字が小さく、最近の大きい字の本に慣れていると読みづらい。
Winnie-the-Pooh on Management: In which a Very Important Bear and his friends are introduced to a Very Important SubjectWinnie-the-Pooh on Management: In which a Very Important Bear and his friends are introduced to a Very Important Subject
Roger E. Allen

Penguin Books 2011-05-31
売り上げランキング : 87672

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

プーさんが、Managerのイロハ、即ち”目標”、”組織”、"動機付け”、”人材開発”、”コミュニケーション”、”評価・分析”について、"The Stranger"の指導やクリストファー・ロビン、ティガー、ピグレットといったお馴染みの仲間達とのやりとりを通じて学んでいく。すっとぼけたプーさんなど、その世界観は壊さず再現されており、プーさんの読み物としても楽しめる。
一体全体、どんな読者をターゲットにしているのかと疑問を持ちながら、初戦は入門書と読んでみれば、XY理論の説明やらピーター・ドラッカーの書の紹介やら、節々の解説やら、学ぶことが多かった。

以下、備忘録。
"It is very, very difficult to change someone, (略)  You see, the manager really can't develop people. It just can't be done. All she can do is to provide an environment that encourages them to develop themselves."(P.129)
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)
西原 理恵子

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-06-23
売り上げランキング : 815

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

内容は、半分が自伝、半分が(タイトルの通り)西原理恵子氏の経験に基づくお金の考え方。あまり西原氏の生い立ちは知らなかったこともあり(この本がドラマ化された一部を見た程度)、特にその過去が印象的だった。親の暴力、荒れた高校生活、父親の自殺、極貧状態で上京、売れてからもギャンブルで数千万円の損失等々、なかなか強烈な生き方をしてきたからこそ、後半のお金の話が説得力がある。

About this Archive

This page is a archive of entries in the category from 2012年11月.

本: 2012年10月 is the previous archive.

本: 2012年12月 is the next archive.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.

Powered by Movable Type 4.01