本: 2012年2月 Archives

働くことの喜びはみんなディズニーストアで教わった―外伝・社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった働くことの喜びはみんなディズニーストアで教わった―外伝・社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった
加賀屋 克美

こう書房 2005-07
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外伝とあり、今までの2冊と主人公(著者)が異なる(2作目にちらっと登場していた人物が主人公)。自称・他称のディズニーオタクだった少年が、ディズニー・ストアで働きながら本場アメリカへ行くために中学校の教科書で英語を独学マスター、念願の夢を叶える話。正にディズニーの「願えば叶う」を体現するようなストーリー。前2作「~ディズニーランドで教わった」は著者が自嘲して書いており、周りの教えで成長していくのがわかる話だったのに対し、こちらはとにかく著者の思い・行動力に感心するばかり。
読んでいてとても気持ちがいいが、自分の行動力のなさに反省しきり。。。
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部

講談社 2010-07-23
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ドラゴン桜、「16歳の教科書」の番外編ということで親の世代向け。成毛眞、デーブスペクター、藤原和博、西原理恵子、似鳥昭雄、山崎元、工藤公康などそうそうたるメンバーが英語教育、中高一貫校、お金と仕事、挫折についてメッセージを発信する。16歳~と違って、こちらはさまざまな意見が出され、それぞれは正反対の内容だったりする。大人向けなのだから、読む者が多様性の考えから自分の考えを導き出せということなのだろう。
様々な考えがあるからこそ、読む者それぞれで得るものも違ってくるだろう。
個人的には、最後の岸見一郎氏の内容が印象深かった。アドラー心理学という初耳の内容からして興味がわいたのだが、”子供を対等な存在と見る”ということにはっとさせられる。「ほめて育てること」おてゃ全く違うという「勇気づけ」というアプローチ。即ち、何かお手伝いをしたときなど、「偉い」=上から目線ではなく、「ありがとう」=対等で、横の関係を築くというもの。普段の自分がどうか、考えさせられる。
社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった〈2〉熱い気持ち編 (KOU BUSINESS)社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった〈2〉熱い気持ち編 (KOU BUSINESS)
香取 貴信

こう書房 2003-12
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前作 「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった―そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ! (KOU BUSINESS)」に続き、著者が成長していく過程と共にディズニーのサービスの神髄を綴られている。時間軸として前回の続きというわけではないので、話のネタとして前作とかぶる箇所も見受けられたが、著者のオーバーなまでな(?)自虐的な話でおもしろおかしく、ディズニーのサービスの精神・働いている人達の思いが気持ちよく伝わってくる展開は相変わらず、すらっと読める。
怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)
アルボムッレ スマナサーラ

サンガ 2006-07-18
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仏教の三毒、貪・瞋・癡のうち、「瞋」を意味する「怒り」をテーマにした1冊(ちなみに、残りの2つは貪欲と愚痴)。
大抵の人は怒りたくて怒っている訳ではないだろう。どうすれば怒らなくなるか、、、との思いで本書を手にしたら、裏切られるだろう。本書は単に怒らなくなる方法を伝授するのではなく、怒る行為そのものを毒、無知で動物以下の弱者であると一蹴した上で、怒りは本人の破滅を招いたり周りにも毒を撒く行為であると諭す。怒りそのものは主観的なものであり、考え方の問題なのだと言われて見ればわかるが、それが凡人には難しく、また、時には必要な「怒り」もあるように思ってしまうが、いろいろ考えさせられる。
仏教の世界観を知る上でも貴重な1冊。手塚治虫の「ブッダ」を思い出す。
クラウゼヴィッツの戦略思考―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質クラウゼヴィッツの戦略思考―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質
ティーハ・フォン ギーツィー クリストファー バスフォード ボルコ・フォン アーティンガー Tiha Von Ghyczy

ダイヤモンド社 2002-04
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有名だが難解故、なかなか原書を読めないクラウゼヴィッツの戦争論。本書はBCGが、そのエッセンスをわかりやすく抜き出している。

不確実性の最たる戦争において、いかに決断するか。「いかに備えるか」、「戦争か平和か、攻撃か防御か、など相反する2対を弁証法で熟考する」など、クラウゼヴィッツの考えは時代や手法にとらわれない。これが、現代まで残り語られるゆえんだろう。

具体的な示唆はないため、余計難しい戦争論だが、本書はBCGの手によりかなり読みやすくなっている。

以下、備忘録
理論(セオリー)という言葉はギリシャ語の「セオレイン(見る、熟慮する、調べる)」からきており、実践(プラクティス)は同じくギリシャ語の「プラテイン(する、行なう)」に由来する。(P.35)
星の王子さま (新潮文庫)星の王子さま (新潮文庫)
サン=テグジュペリ Antoine de Saint‐Exup´ery

新潮社 2006-03
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世界で聖書の次に読まれているという1冊。星の王子さまミュージアムはじめ、その存在こそ知っていたが読んだことなかったので手に取ってみる。

アフリカに不時着したパイロットが宇宙から来たという王子様に出会い、星々の住人達の話とともに大人のつまらなさ、盲目さを聞かされる。その世界観は、奥深く、難しい。あるいは、自分もつまらない大人になって盲目になっただけだろうか。

”l'essentiel est invisible pour les yeux”(大切なものは、目に見えない)

という言葉が非常に印象的。なお、作者のサン・テグジュペリ自身もアフリカに不時着した経歴の持ち主であるが、そのときの状況や心境も興味深い。
ハゲタカ(下) (講談社文庫)ハゲタカ(下) (講談社文庫)
真山 仁

講談社 2006-03-15
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外資ファンドの日本法人トップ鷲津他、スーパーを建て直すために邦銀からスピンアウトした人物、地元ホテルチェーンを再建するため奮闘する若き女社長、魅力ある登場人物達が繰り広げるストーリーが絡み合い、一気にフィナーレまで読む者を惹きつける。

唯一の難点(?)は、鷲津の過去が暴かれるところか。今までの盛り上がりが、少し不完全燃焼。これも早く続編(ハゲタカⅡ)を読めと言うことか。
ハゲタカ(上) (講談社文庫)ハゲタカ(上) (講談社文庫)
真山 仁

講談社 2006-03-15
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バブル崩壊後、各行の不良債権問題とその買い取りで話題になった外資ファンド。本書はそんな攻防の話なのだが、とにかく心地よいテンポで読む者を引きずり込む。不良債権の実態、外資ファンドの裏側、闇を暴くようなところもあるのだが、本書はむしろ登場する人物達の魅力に惹かれる。
出現する未来 (講談社BIZ)出現する未来 (講談社BIZ)
P. センゲ O. シャーマー J. ジャウォースキー 野中 郁次郎 高遠 裕子

講談社 2006-05-30
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不確実性の対処として、過去からだけでなく未来から学ぶ・未来をコントロールという考え「U理論」を理論的に示す1冊。「U理論」とは、心を無にする意義が前提にあり、その状態にはいるための「センシング」(Uの字を降りる)、何もかもなくした瞬間に内なる知が出現する「プレゼンシング」(Uの字の底)、「リアライジング」(Uの字を上る)という3段階で構成された考え。仏教や禅の考え方なども融合しており、面白い。
野中郁次郎監訳とあり、理論的な内容を想像していたが、後半は9.11発生時にランダム発生器に乱れが発生など、神秘的・非科学的な内容が占める。
なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方
枝廣 淳子 小田 理一郎

東洋経済新報社 2007-03
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問題を要素と関係(+時間)で表現するシステム思考。その七ヶ条とは、P.245より
1.人や状況を責めない、自分を責めない
2.できごとではなく、パターンをみる
3.「このままパターン」と「望むパターン」のギャップを見る
4.パターンを引き起こしている構造(ループ)を見る
5.目の前だけではなく、全体像とつながりを見る
6.働きかけるポイントをいくつも考える
7.システムの力を利用する

本書の書かれていることは見ればなんてことはなかったりするのだが、実際の実践は(特に当事者となって視野が狭くなっているときには)なかなか気付かない構図を、トヨタ式なぜなぜ5回などの事例も織り交ぜながら解説している。問題への見方、対応の仕方として、参考になる。

以下、備忘録がてら
”船をつくりたかったら、人に作業を割り振るのではなく、はてしなく続く広大な海を慕うことを教えよ。---A・サン・テグジュペリより” (P.225 章表紙・引用より)

社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった―そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ! (KOU BUSINESS)社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった―そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ! (KOU BUSINESS)
香取 貴信

こう書房 2002-05
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ディズニーのサービスについて、なぜアルバイトが多い中、あれほど一流のサービスができるのだろうか。本書は著者がディズニーのアルバイトとして入り、様々な体験を通じてディズニーのサービスの骨頂、サービスの神髄とは何かを気付いていく様子がつづられている。もともとはメルマガを書籍化したとあり、登場するストーリーは前後・重複するところもあるが、上司・先輩達への尊敬と共に著者が失敗しながら成長していく過程は、面白く読みながらも、気付けば一緒に自分も成長している気になる。