本: 2010年8月 Archives
異業種競争戦略 | |
内田 和成 日本経済新聞出版社 2009-11-10 売り上げランキング : 43380 おすすめ平均 電力対ガスにひかれて読んだ 取り立てて普通 僕にとってタイムリーな本。友人に勧めたい本の一つです。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「これまでの同業他社との争いから、突如、異業種との争いに巻き込まれることが多くなってきた」をテーマに、セブン銀行の位置づけ、JTB vs HIS vs 楽天トラベル、雑誌 vs フリーペーパー、カメラメーカー vs フィルムメーカー vs 電気製品メーカー(デジカメ)、現像ラボ vs プリンタメーカー、電気 vs ガスなど、いくつかの事例を基にわかりやすく解説している。
言っていることは非常に易しく当たり前のことなので業界全般をさらっと把握するために読むのはもちろん、コンサル出身の著者だけあって3C、バリュー・チェーンなどフレームワークを使用しながら説明しており、そうした思考のトレーニング書としても、有益な1冊。
ガリア戦記 (講談社学術文庫) | |
カエサル 國原 吉之助 講談社 1994-04-28 売り上げランキング : 10380 おすすめ平均 自信に満ち溢れ、常に客観性を失わないカエサルの面目躍如の作品 ! 国原訳とは相性がわるいけど とにかく面白い Amazonで詳しく見る by G-Tools |
紀元前58年以降、数年にわたりカエサル率いるローマ軍がガリア・ブリタニア(現在のイギリス)へ遠征した記録。原書はカエサル自身がラテン語で記述されたという事から、歴史書としても、文学的にも貴重な1冊。
遠征の記録から戦術、敵との駆け引きなど読むほどにのめり込み、2000年以上前の話とは思えない錯覚を覚える。単元毎に記述に関する補足、付録として単語(一部は図あり)の解説や地図が付いており、当時の様子に関する想像が広がる。
非常に面白いのが、
文字に頼ってそれだけ記憶に熱中しなくなることを恐れたためである ~略~ (P.217)
と当時、文字を警戒していた動きがあること。産業革命時代の機械・電車・電報しかり、一昔前のインターネット嫌悪しかり、いつの時代も新しいことにたいする懸念が確実にあるということ。
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 | |
カーマイン・ガロ 外村仁 解説 日経BP社 2010-07-15 売り上げランキング : 10 おすすめ平均 これは授業改善の本だ! プレゼン能力は才能ではなく努力次第 ジョブスはジョブスになるために努力する Amazonで詳しく見る by G-Tools |
スティーブ・ジョブズのプレゼンをAppleやApple製品、スティーブ・ジョブズのBiographyとともに科学的に、詳細に記されている。まず、この類の本では珍しい400Pのボリュームが読み応えある。
大まかな流れは最初にプレゼンのポイントを説明し、スティーブ・ジョブズのプレゼンで具体的に解説している。特に、ジョブズのプレゼンでは流れから話した内容、単語と事細かに分析されており、読み物としても、プレゼンの具体的なテクニック研究としても有益である。
また、スティーブ・ジョブズがさぞかし天性のプレゼンターなのかと思いきや、人一番の努力家であるというのも意外な事実であった。「習得には1万時間が必要(P.318)」はずしりと響く。マルコム・グラッドウェル、ダニエル・レビティンによる1万時間の法則、すなわち世界的な達人の域に達するにはどの分野においても、脳が学習する仕組みから1万時間必要とのこと(1日3時間、1週20時間で10年間かかる)。
子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方 | |
明橋大二 太田知子 1万年堂出版 2010-06-22 売り上げランキング : 98 おすすめ平均 子育てに悩んだとき、何度も読みたくなる本です。 怒る人にも見てほしい ときどきは読んでおきたい Amazonで詳しく見る by G-Tools |
マンガでわかりやすく書かれた子育て本。指南本の類ではなく、むしろ肩の力を抜くことができるようになるシリーズ・最新刊。
2-3歳の子供がいる親はもちろん、まわりの人にも読んでほしい。納得できる話、肩の力を抜くことができる話をおもしろおかしく読める。さらっと読んでも楽しめるし、じっくり読んでもためになる。
c.f.
ボーダレス・ワールド | |
大前 研一 田口 統吾 プレジデント社 1990-11 売り上げランキング : 184407 おすすめ平均 今読んでも価値があります。 元祖ボーダーレスワールド Amazonで詳しく見る by G-Tools |
20年近く前の本ながら、今読んでも非常に価値があるとともに、当時これだけの見解を持ち合わせていた大前氏の視野の広さに、改めて脱帽。国の威信がどうのこうの、中国との関係どうのこうのと政治家やマスコミでの論争のレベルが、ごく限られた領域を考えさせられる。
大前氏他、議論にあがる道州制についてのメリットも論理的に非常にわかりやすく改札されている。
翻訳のせいか(もとは英語で出版されている)わからないが、少し堅苦しく腹に落ちにくいところもあるが、一読の価値あり。