本: 2009年8月 Archives
エリヤフ ゴールドラットの「ゴール」「クリティカルチェーン」のように主人公、及び登場人物の例題を基に問題の可視化、及び解決を示していく。本書では人間の病理現象「自己欺瞞(ぎまん)」について、その弊害を詳しく解説、人との接し方を分かりやすく諭す。全米ベストセラー本。
Leadership and Self-Deception: Getting Out of the Box | |
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個々では自分が正しいと思っていても、客観視した際には正しいとは限らない「合成の誤謬」(c.f.「偽装請負―格差社会の労働現場」)、またその弊害を分かりやすく図示している。Amazonの他のコメントでも述べられているが、本書はビジネス書の分類に入っているものの上司・部下・顧客・家族・知人・他人問わず人間関係全般に適用できる、普遍的な理論である。
小生自身、仕事上の客先の対応に苦心していることもあり、相手をロジカルに分析する、1歩引いて客観視するきっかけにもなった。ボリューム的にも手頃で、手元に置いておきたい1冊である。
2010.4.3 追記2010.1.5 、以下へリニューアル
Leadership and Self-Deception: Getting Out of the Box | |
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2006年夏から告発キャンペーン報道を展開し、新聞労連ジャーナリスト大賞優秀賞を受賞した朝日新聞取材チームが、格差社会の「労働悲劇」を描き尽くす渾身のルポ。
偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43) | |
朝日新聞社 2007-05-11 売り上げランキング : 146623 おすすめ平均 本書が告発した前提である経済状況は一変 豊富な事例で偽装請負の実態を知る 偽装請負問題の必読文献の一 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
請負社員の身分は夢や希望を持ちにくい。製造業へ派遣が解禁され、増えた派遣社員、そして本書で問題提起している偽装請負された人々の実態を生々しく記す。例えばキャノンの工場で働いていた大野には専業主婦の妻、3歳と1歳の子供がいる(P.74)。子供に何かさせてあげたい、、北海道の親が倒れたときにはどうするか。
確かに、不況・グローバル化が叫ばれた時代、企業にとっても流動的な体制をしく必要性があったのは理解できる。但し、今の日本では一度正社員以外の道を歩んできた人たちにとって、なかなかやり直しがきかない社会構造となっているのが問題だろう。本書でも語られているが、不況下や企業の存続時期にはある程度労働者にも苦渋を強いるのは仕方ないが、業績が回復した際には、企業は社会にも還元する必要があるのではないか。
最後に、経済学の用語「合成の誤謬」を紹介している(P.200)。ミクロでは正しくても、マクロでは必ずしも正しくない、という意味だが、非常に重い。経済学だけではなく、社会全般に当てはまる。
余談だが、グローバル化の波に飲まれる、という意味では中小の町工場(大企業と共に海外進出し、現地に技術供与だけして切り離された)の問題もある。
日本人の大多数の人が該当する給与所得者、所謂サラリーマンを、毛を刈り取られる羊に例えて、意識することなく(しても)給料から天引きされる税金について分かりやすく解説した本。
給与明細は謎だらけ (光文社新書) | |
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タイトルの通り「給与明細が謎だらけ」の人にとっては、少し敷居が高いのでは。逆に、少しでも給与明細の内容、税金(控除)について調べた者にとっては、この本の大部分はそれほど目新しい物ではない。しかし、そうした人たちでも各種税金の控除の成り立ち、判例、諸外国との比較といった内容など、わかっているようで知らないことが多いことに気付かされる。
小生が参考になった内容としては、月々の給料から所得税を算出する表と以下、引用元の紹介(P.72)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2006/data/01.pdf
(※2006年のデータ。2009年現在、以下が最新。)http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2008/data/02.pdf
や課税対象・対象外の説明(P.90)、サラリーマンが一律の控除として実費控除を争った裁判、及び最高裁判決(1985年3月27日)の紹介(P.100)など。
少し趣旨とはことなるが、消費税の導入が派遣社員の増加に繋がったという解説(P.196)はこれっぽっちも理解していない内容だったので、目から鱗が落ちた思いである。
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