事故: 2012年8月 Archives

墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)
飯塚 訓

講談社 2001-04-19
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1985年8月12日に御巣鷹山で墜落したJAL123便。本書は、127日間に及んだ身元確認のうち、特に藤岡市内の3つの体育館で指揮した方による、警察・医者・看護師の47日間にわたる記録が主となる。

初めこそ完全な遺体もあったが、その後は部分遺体ばかり、別の人の 頭蓋骨が埋まっていたため目が3つあった頭部、焼けて煤のみとなった皮、大量にわいてくる蛆虫、そして猛暑の中の体育館で連日・連夜明け方帰宅で、体には腐臭が染みつき外にも出られず、文字通り過酷を通り越して極限状態の作業だったことがわかる。例え指1本でも、ここまでして身元を確認する執念に、ただただ頭が下がる。

一方で、結論が早急と感じる場面も多々あった。遺体の確認にこだわるのは日本くらいとし、アメリカなど海外ではその考え方が理解されないとしているが、諸外国でも遺体を回収する考え方はあるので一概にそうとも言えないのではないか。また、後半からは日本、警察、自信の自画自賛的な描写が気になった。遺体から婚約指輪を紛失した際、遺族に辞職で責任をとると謝罪して最後は理解してもらえたと書いているのだが、原因が何も書かれておらず、安易に精神論で対応しようとしていることに、警察の一面をみた気がした。

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