本日の1冊: 幸せはガンがくれた―心が治した12人の記録
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本書を読んだ感想は、癌患者や家族に希望を与えてくれる一方、非常に危険性をはらむということ。登場する人物はいずれも癌を前向きに捉え、克服してきた人ばかり。治療するも放置するも、基本は本人の意志できめるべき事項だと思うが、それは正確な判断材料があっての話。どれだけの母数を確認されたのかしらないが、一部の例を出し、あたかもそれが王道のように書かれるのは、人々に誤ったシグナルを発することにならないだろうか---近藤誠先生のように。
全体的に、印象操作が強いと感じる。例えば、癌に対して気持ちが折れなかった人の方が生存率が高いと図示している箇所もあるが、一般的に患者は「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」というステップを踏むと言われているのにその説明がなく、どの段階のことを言われているのかわからない。
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