本日の1冊: 「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人
「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人 池田 信夫 與那覇 潤 PHP研究所 2012-09-19 売り上げランキング : 81548 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本は西洋化によって近代化を成し遂げたと考えられるが、本書によると”日本は西洋化ではなく、中国化している。”という。形上は三権分立とあるが、実質は官僚機構が権力を握る人治政治であるというのがその根拠。
池田信夫氏と與那覇 潤氏の対談形式で書かれているのだが、西洋や中国との文化の違いからDNAとして刻まれているかのような日本人としての考え方を浮き彫りにする。
池田氏の主張は『「空気」の構造: 日本人はなぜ決められないのか』と同じなので、ここでは異なる視点に注目したい。
それは、人類としての謎、宗教。ほとんど実用的な要素のないものに膨大なエネルギーが費やされるのはなぜか。本書が引用するニコラス・ウェイド「宗教を生み出す本能」によれば、戦争に備えるための心的メカニズムだと言う。(P.38)
明治政府が国をまとめるために天皇制を掲げ、靖国神社をはじめ国家宗教として突貫工事的に拵えたのは、実に理にかなっていると納得した。
0 TrackBacks
Listed below are links to blogs that reference this entry: 本日の1冊: 「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人.
TrackBack URL for this entry: http://nakakura.net/movabletype/cgi-bin/mt-tb.cgi/1068
Leave a comment