本日の1冊: 「空気」の構造: 日本人はなぜ決められないのか

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「空気」の構造: 日本人はなぜ決められないのか「空気」の構造: 日本人はなぜ決められないのか
池田 信夫

白水社 2013-05-24
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法的根拠がないまま”お願い”という形で全国の原発が停止する日本は法治国家ではない。そもそも日本人は宗教に関しても、日本由来の神道(これを宗教というのかは別として)も、他の宗教と異なり教典や法典といった明文化されていないのは、世界では極めて珍しい。本書は、なぜ日本人が明文化されていない、空気で物事を決めるのかという点について考察する。

著者によると、日本は村という土地に縛られてきて、暗黙の協調という文化で形成されてきたという。ここまでは一般的に言われることだが、農業の用水管理のようにボトムアップの構造を図示しているのはわかりやすい。また、具体例を挙げているが、例えば史実で大東亜戦争は一般的に軍部の暴走と言われるが、朝日新聞をはじめとしたマスコミの煽動と国民の空気が動かしたという論調な新鮮だった。まさに、今の原発問題にも近似していると言えよう。

日本が法治国家にないということをまじまじと考えさせられる。良書。

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